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がん疼痛の専門的治療

2019年11月8日 , 

昨夜は、広島赤十字・原爆病院の がん診療(緩和ケア)に関わる地域医療連携研修会に出席してきました。
講演:知ってほしい、がん疼痛の専門的治療
講師:中部徳洲会病院 疼痛治療科 服部政治 先生
要点
WHOの がん疼痛治療の3段階ラダー というのは 今年 消えました。
3段階ラダーは、すべての医師・医療関係者が最低限知っておくべきこと、に すぎません。
先進国でも 発展途上国でも 最低限これだけは知っておきましょうという内容。
これですべてのがん緩和ケアをまかなえる、というものではないのです。
実際に、がん緩和ケアの必要性が言われはじめた1996年頃には
がんの痛みで 末期には苦しんで・・・、という人が4割いるのが問題であった。
これが
その後 20年間、がん緩和ケア普及活動をおこなったにもかかわらず、
昨年の統計でも、亡くなるまでの1か月間に 身体の苦痛が少なくすごせた人は6割弱であった。
たしかにオピオイド(医療用麻薬)は進歩したが
それだけではがん末期の苦痛をとるのは出来なかった、ということである。

がん疼痛をなくす、ということを あきらめてはいけない。
放射線治療や、神経ブロック、脊髄鎮痛法など 専門的な疼痛治療はある。
早い段階から それら専門治療の専門家に相談し
適用できるかどうか、の判断をおこなうことが大切である。

私に何が出来るか、という視点ではなく、
この患者さんに何が必要なのか、という視点が基本である。

ペインクリニックを担当できる麻酔科医は減少してきている。
必要とされる場所に専門医が出向いていく、というシステムを 沖縄で始めました。
***

 

鎮痛薬や鎮痛補助薬を上手に使えば
9割くらいの患者さんの痛みは軽減させることが可能です。
でも
それだけでは取り切れない痛みが 約1割 存在します。
経験則でも、やはりそのような印象です。
ですから
私どもは 他の専門家・専門科との連携は密にとっているほうだと思っています。

緩和ケア医は けしてオールマイティーではない。
早期からチーム医療としておこなうべきものである。
この基本に立ち返りながら 毎日の診療にあたりたいと あらためて思いました。

 

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