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アスベストはどこまで飛ぶか

2009年05月19日 ,, 

新型インフルA(H1N1)は、患者数は刻々増えています。
今後、奈良、京都、さらに東京、北九州あたりで検査陽性との報道が出そうです。
患者数の増加、地域の拡大は 予想の範囲。
あわてる必要はありません。

広島でも患者が発生するのは時間の問題です。
発熱、咳などの病状が出た場合の相談先は保健所です。
直接 医院や病院、発熱外来を受診することは止めて下さい。
(現時点での対応)
最寄りの保健所の相談電話番号の一覧は以下にあります。
http://www.city.hiroshima.med.or.jp/hma/archive/influ-a.pdf
広島県の電話相談窓口は082-228-2154
広島市の電話相談窓口は082-504-2622
休日・夜間は 082-245-2111 です。

すでに神戸、大阪では、入院は重症のみ、軽症は自宅加療となっています。
来週あたりから、通常の季節性インフルエンザと同じ対応になってくるでしょう。
つまり、学級閉鎖などは、感染者が多発した学校のみでおこなわれることに。

マスク、手洗い石けん、消毒用アルコールなど
まだ備蓄していない人は、今のうちに準備しましょう。
(マスクの入手がむつかしくなっている地域も多いようです)

最新情報に注意しておきましょう。
正しい知識を身につけましょう。
知識のワクチン=正しい知識が自分や社会を守ります。

写真はアルティシーマ これも着実に伸びています
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さて、久しぶりに 「本日のお勉強」から。ブログへのアップが遅れていました。

アスベストはどこまで飛ぶか

私はどういう病気で死ぬでしょうか?
胸膜中皮腫 あたりの可能性はあると覚悟はしています。

阪神淡路大震災のときに、医療救援チームが派遣されました。
広島でいうと、広島県からのチームと、広島市からのチームが派遣されています。
(このほか日赤チームなどもありますが)
医師1名+看護師2名を1班として、
チーム編成は2班プラス事務方 というものでした。
私は震災後3週間目の広島市派遣チームの一員として
1週間神戸で活動をおこなってきました。1週間交代です。
広島市立の病院から1班、民間病院から1班という組み合わせで
私は当時広島市民病院の宮澤先生と同じチームでした。
(現在 宮澤先生は聖マリアンナ医科大学教授)

復興に向け少しずつ動きはじめた時期で、
使い物にならないビルの解体などがはじまっていました。
今のようにホコリ、粉塵の対策なども十分な工事ではありません。
ということは・・・
断熱材などで使用されていたアスベストも、
粉塵として多量に飛散していた、と考えられます。
そして我々も含め住民や工事従事者はアスベストを吸入した、と考えられる。

緩和ケア医 本日のお勉強
環境中に飛散した石綿はどこまで影響が及ぶか
肺癌(日本肺癌学会)2009年2月
奈良県立医科大学 車谷典男先生ほか

要点
暴露源から少なくとも2000m前後の範囲まで、
中皮腫死亡の有意なリスクが生じ得る。

アスベストの呼吸器障害としてとくに問題になるのは
肺癌と悪性中皮腫です。
悪性中皮腫は、アスベスト吸入後 約30-40年経過して
発病する、とされています。
あれから10年ちょっと経過していますので
当時の住民や工事関係者に悪性中皮腫が多発してくるまで
あと20年程度です。
もちろん私も要注意でしょう。
あと20-30年といえば、私は70-80歳ですね。

何も症状がなくても年1回は胸部レントゲンをとりましょう。

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