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エイズ患者と在宅緩和ケア

2012年10月16日 , 

昨日は広島在宅緩和ケア勉強会に参加してきました。
当方の、機能強化型在宅療養支援診療所カンファレンスも兼ねています。

特別講演
「もしエイズ患者に在宅緩和ケアが必要となったら」
講師:広島大学病院輸血部准教授 藤井輝久先生

エイズというのは、HIVウィルス感染症ですが、
感染と発病に分けて考えることが必要です。
昔は良い薬がなかったので
感染したら数年(7年程度)で発病、死に至る病でしたが
今はウィルス数を抑える良い薬があり、
ごく普通の生活を長くおくれるようになってきています。
健康な人の寿命より10年短いかも、という程度のイメージです。

エイズというのは免疫力が落ちる病気で、
免疫低下にともなう様々な病気が関連疾患として存在します。
悪性腫瘍もそのひとつです。

癌は、在宅緩和ケアのおもな対象です。
では、
エイズ患者の癌は、在宅緩和ケアの対象になるのか?
ということですが、
当然対象になります。

エイズ患者に対応する場合に
特別な注意・特別な対応が必要かどうか?
これは
普段通りに対応してください、ということになります。
我々医療者は感染症対策として
標準予防策(スタンダードプリコーション)を
日々実行しています。
HIVウィルスは、B型肝炎・C型肝炎などとくらべて
感染力は非常に弱い。
私たちはB型肝炎・C型肝炎患者を日常的に診療しており、
それ以上の特別な対応をとる必要はないのです。

標準予防策、というのは
非常に簡単にいうと
全ての血液・体液・排泄物には感染性があるとみなして
対応する、というものです。

ときに、
トイレを素手で磨く、
なんていうことをおこなっている人たちがいます。
社員や小学生に対して
「いい行為」として推奨している人・団体もいたりします。
標準予防策を知っている人間にとっては
後ろにひっくりかえるような行為です。
尿や便はバッチイ(汚い)、というのが
一般的な感覚だと思いますが、
その「本能としての感覚」が正しいわけです。
トイレを磨くという場合には
ゴム手袋をつけたり、掃除棒で磨けばいいのです。

小学生など小さい時から
標準予防策をひろめていく活動が必要だろうと思います。
標準予防策が個人の基本、社会の基本として身に着いていれば
「エイズ患者の在宅ケア」、といって
拒否したり、あわてる必要はなくなるだろうと思います。

東京からの帰りには、いつも大丸で弁当を買って新幹線に乗ります。
大丸の食品売り場には、いつもよりすごい人。
ミート矢澤のA5ランクの牛肉を使った焼肉弁当
なんていうのがテレビで紹介されたこともあり、
行ってはみましたが大行列15分待ちであきらめました。
新装開店ブームが落ち着いたら、1回は食べてみたいものです。

東京駅の大丸 イノダコーヒーのアップルパイ
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

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