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ビタミンサプリで死亡率上昇

2012年05月23日  
栄養は、食事として摂取するのが基本です。
偏った食生活で
不足分を手軽にサプリで補給、というのは
やめたほうがいい。
努力は、バランスよい食事を摂る、という方向に向かうべきで、
サプリに向かうのは努力の方向が間違っている、と言えると思います。

これまでビタミンEには副作用はあまりない、
(良い作用ばかりだ)
と考えられてきましたが、
副作用のあること、および
副作用の出現する機序が解明されてきています。

MTproという医師向け医療専門サイトの記事、2012年4月17日
「ビタミンEの骨有害作用を示した研究」の大いなる意義
α-トコフェロールは破骨細胞融合を促進し骨吸収を促進する
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/doctoreye/dr120401.html
もしかしたら、登録している人(医師)しか読めない記事かもしれません。

遺伝子に対しビタミンEが働く機序が明らかになった
ということで、
まさに最先端の研究。
読み込んで理解するのが我々でも難しい論文です。

で、
一般の人にわかりやすい部分として、
この記事の解説部分だけ引用しておきましょう。

***ビタミンE副作用部分の引用
近年ビタミンEに対しては強い逆風が吹き荒れている。とりわけサプリメントとして補充すると,子どもの先天性心疾患発症リスクの増大(BJOG 2009; 116: 416-423),運動のインスリン抵抗性改善などの効果の阻害(Proc Natl Acad Sci USA 2009; 106: 8665-8670),脳出血(JAMA 2008; 300: 2123-2133,BMJ 2010; 341: c5702)の増加,抗がん薬や放射線の治療効果の減弱〔Oncology(Williston Park)1999; 13: 1003-1008〕,肺がん(Am J Respir Crit Care Med 2008;177: 524-530),膀胱がん(Ann Oncol 2010; 21: 166-179),前立腺がん(JAMA 2011; 306: 1549-1556),さらには全死亡率(JAMA 2007; 297: 842-857,Ann Intern Med 2005; 142: 37-46)の増加さえ報告されている。そして本論文である。これだけ並べられると,まるで有害物質のようである。
***引用終わり

ほかのビタミンにも言及されています
***ほかのビタミンの有害作用部分の引用
これはビタミンEに限らず,現在多くのビタミンが受けている逆風でもある。ビタミンAやカロテノイドだって発がんや心血管イベントなどの予防に対して無効なばかりか,全死亡率を上昇させる可能性すら示されている。血中ホモシステイン濃度を低下させることから,骨質への効果も期待されているビタミンB6,ビタミンB12,葉酸も,心血管系イベント防止効果を否定する成績が相次いだばかりか,糖尿病性腎症患者の糸球体濾過量低下と心筋梗塞・脳卒中の発生率増加まで報告された。今やサプリメントとして全死亡率の低下など,有用性が証明されているのは,われらがビタミンDだけなのである。
***引用終わり

一粒で○○の何百倍の××・・・、
なんていうのも売られていますが、
やめたほうがいいと思います。
黒酢ナントカ、とか、シジミなんちゃら、とかイロイロ。
こういったものは、少量を摂取する、
というのが人類の歴史のなかで選択された使用量・使用方法なのであり
その物質を一度に大量に摂取するというのは人類の歴史にない事なのです。

多ければ多いほどよい、という考えは危険です。
バランスよい食事をとる、という努力をしましょう。

今週の花 ササナンテン、ヒトリムスメ、バラ。
a sasanannten.jpg
★インフルエンザ情報
佐賀県では、鳥インフルエンザ対策訓練として
防護服の着用訓練をやったそうです。
きちんと着用できなければ命にかかわりますので
何度でも訓練すべきですね。
鳥インフルエンザに備え防護服試着
朝日新聞デジタル2012年05月22日
http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000001205220003

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