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喘息とスポーツマン

2010年02月27日 , 

咳と痰がなおらない、という患者さんが来られました。
市販のカゼ薬ではなおらない、と。
今週フルマラソンに初挑戦するのだそうで、
それまでに治したい、とのことです。
いちばんしんどいピークはすぎたようだ、ということで
とりあえずは通常の治療で大丈夫、間に合うと判断しましたが
当日しんどいようなら無理せず、そこで棄権するように説明しました。

院長は呼吸器・アレルギーの専門医であり、
これまで 一線級ランナーの喘息治療を担当したこともあります。
市役所ちかくの某地元企業に所属するランナーでした。
現在でも某駅伝チーム(昨年の全国大会優勝)の選手の治療を担当しています。
選手と相談しながら、日程にあわせ体調がベストになるように
相当に知恵を絞りながらの治療になります。

治療をする時、
市民ランナーならあまり治療薬に気を配らなくてもいいのですが、
正規の大会に出場する一線級ランナーは
ひょっとしたらオリンピックや世界選手権に出る可能性も
まったくないとはいえず、
ドーピングに十分な配慮が必要となります。

日本で一般的によく使用されている標準的治療薬が
世界的にはまったく認められておらず使用認可薬リストに掲載されていない、
ということは 非常によくあります。
珍しくありません。
うっかり国内標準の治療薬を使用すれば、ドーピングで失格です。
ヘタすれば選手生命も絶たれますし、引退後の生活も変わってきます。
知らなかった、では済まされないのです。

院長が 世界標準の治療を常に意識しながら
患者の治療をおこなうようになったのは
その一線級アスリートの治療にかかわるようになってからです。
10年以上前のことになりますね。
(喘息の場合には、ヨーロッパに本社のある製薬会社の薬だと
大丈夫なものが多いようです。
日本の会社の製品は ほぼダメと考えた方がいいです。)

喘息があっても、アイススケートの清水宏保選手(今シーズンで引退)のように
オリンピックで金メダルをとることは出来るんです。
そのかわり
しっかりとした治療担当医と組まないといけません。

一線級アスリートを目指したい人は、
早い段階から専門医に御相談ください。
あと2日で治してください、なんて言わなくてすむように、ね。

写真は診察室の患者用イス。
冬の朝はイスも冷たいので、湯たんぽで座面を暖めています。
座ったときに 「冷やっ!!」 と ならないように。
暖かくなってきたので 湯たんぽの出番ももうすぐ終わりです。
2010020110350000yutannpo.jpg
★新型インフルエンザ情報
<インフル治療薬>強毒鳥インフルに効果 初の純国産
Yahooニュース 2月26日20時25分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100226-00000101-mai-soci
現在開発中の国産薬が、H5N1にも効果ありそうだ、というニュースです。

H5N1由来の新型インフルエンザには
これまでタミフル・リレンザしか武器がなかったのですが、
先日 注射薬が販売となっており、
この薬が出てくれば武器が合計4種類になります。

とくに国産というのがメリットです。
本当に新型H5N1が流行した場合には、
薬の輸入はストップする可能性がかなり高いためです。

新型インフルエンザ対策・行動計画は、
この新薬を柱に組み立て直すほうがよいのではないか、と思います。
(まだ安全性の情報など、何も出てきていないのですけどね)

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