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広島県が食中毒最多の理由

まずはこちらのニュースから。
CBニュース
https://www.cabrain.net/news/regist.do
以下、記事より抜粋。
平成20年度の全国の食中毒発生件数は1369件で、2万4303人の患者が出ていたことが、厚生労働省の調べで分かった。死者は4人だった。 都道府県別では、広島が273件で最も多く、東京の106件、大阪の96件、神奈川の69件がこれに続いた。患者数は、多い順に大阪2071人、広島1602人、東京1442人。

もとネタは厚生労働省データです。
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/04.html#4-2

なんだ、広島って、食中毒が全国で一番多いのか
やっぱりカキの本場だからな、
などと単純に思わないで下さいね。
ここに出ているデータは、
「保健所に届けられた件数の集計」なのです。

広島県の食中毒件数は、平成11年から全国でも飛び抜けて1番多くなりました。
しかも、そのほとんどは広島市の件数です。
平成11年度についていえば、広島市だけで全国の食中毒の1/3の件数です。
はっきり言って、異常なデータですよね。
ありえません。
おひまな方は、平成11年度の食中毒データをダウンロードして御確認ください。

では、なぜ、広島市だけが特別に食中毒件数が多くなっているのか?
それは、とある事件がきっかけです。

ある一家が食中毒で入院されました。
マスコミ関係の方で、自分たちの食中毒事件について調べていくと
なんと病院から保健所に食中毒の届けが出ていなかったのです。
その後、地元ニュースなどで取り上げられ問題となったのでした。
法律どおりに運用されていないのではないか、と。

それまでは、食中毒の届け出は、人数の多い「集団食中毒」だけ届けておけばよいだろう、
と 現場では運用されていたのでした。
しかし確かに法律上は、
食中毒と診断すれば患者1名であっても保健所に連絡しなければなりません。
その一件以降、広島市では、
集団食中毒でなくても届け出をするよう
周知徹底されてきたわけです。

これに対して、他の都道府県・政令市では、従来と同じように
集団食中毒、原因が明らかな場合、または原因食品が明らかな場合のみが主に届けられて集計されています。
1人だけ、とか、家族だけの食中毒は集計に上がってこないのです。
これでは広島市・広島県の届け出件数が目立ってしまうのは仕方ありません。

けして広島市が「全国有数の不潔地域」というわけではありません。
広島市の医師・保健所が法律通りきちんと仕事をしている、ということなのです。
どうか御安心ください。
ある時からデータが飛び抜けて変動している場合には
登録方法・集計方法などが変更になっていることも多いです。
額面どおり受け取らず、事情を調べることも必要なんですね。

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★新型インフルエンザ情報
広島市医師会、インフルエンザ集計システムの終了。

広島市医師会では、今回の新型インフルエンザに対応して、
リアルタイムに患者数を把握できるシステムを運用していました。
各医療機関からインフルエンザと診断した患者の住所(区)、年齢をFAXで報告し、
翌日には全医療機関に 集計した情報を流す、というものです。
こういったシステムの運用は全国でも広島市医師会くらいのものです。

県・市や国からの患者数動向は、1-2週間遅れで公表されます。
これに対し、広島市医師会のデータは前日の状況が発信されていますので
今うちの地区の流行はどうなっている?
という疑問に対応でき、患者さんの診療にかなり有用でした。

もう流行が下火になりました。
全市で100名を下回る報告数の日も多くなってきたので、1月末日で終了です。

当院では情報を非常に有効に活用させていただきました。
御協力くださった医療機関のみなさん、ご苦労様でした。

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