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心に残る出会い121 達人だったSさん

2019年12月29日  

【年末年始の診療のお知らせ】
年内の外来臨床は昨日で終わりです。
12月29日(日)から1月3日(金)まで 外来診療はお休みさせていただきます。
御了承ください。
在宅診療の方については、診察予定日程などは 個別にお知らせしております。

一般の方の急病については、
広島市の年末年始 救急医療ホームページを御覧ください。
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1323397795701/index.html

 

これからの年末年始、雨が降る日もあるとして、
真冬の気温となる予報です。
スキー場には雪が降るでしょうか?
どうせならスキー場もにぎわうと良いですね。

 

さて、毎月の最終日曜日は心に残る出会いです。

Sさんは、認知症が進行し、精神病院を受診し薬の処方を受けながら 老人ホームで生活されていました。
早期胃癌が見つかったりしましたが、全部取り切れておりました。
そのホームの嘱託担当医を交代することになり、私たちのはじめての出会いです。

Sさんは、絵を描くのがお好きでした。
非常にこまかい部分まで書き込まれた絵で
「達人」表彰を受けるほどでした。
絵をかいている時はいいのですが、
そうでない時は 気分のムラが非常に多い状況でした。
食事のオカズは、気に入らないと食べません。
言い出したら 後に引かないので、無理強いはできません。
食べない、いらない、と言っていても
その次の食事や ご家族の差し入れなどは
全部ペロリと平らげることもありました。
職員もあきれ顔です。
さっきまでは あんなに「いらない、食べない」って 言っていたじゃないの???

あるとき、貧血・心不全となりました。
病院に入院し、貧血の原因をいろいろ調べたのですが、わかりません。
食事・栄養の偏り、というわけでもないようでした。
年齢的に 骨髄検査までは 本人もご家族も希望されませんでした。
とりあえず輸血したら体調が回復したので、退院して またホームに戻ります。
原因のわからない重症貧血ということで、入院、輸血を何度か繰り返すことになりました。

あるとき、脳梗塞をおこしてしまい入院となりました。
もし、今後 食べられなくなったとしても、胃瘻や延命治療は希望しない、ということで本人・御家族の希望が一致しました。
次に何かあっても、もう入院も希望されません。

それから2年。
やはり食事のムラはひどく、食べたり食べなかったりの生活が続きました。
次第に絵をかくのも、むずかしくなり、絵をかく姿を見ることはなくなっていきました。
そうしてSさんはそのホームで静かに永眠されました。

Sさん、絵を描いているときの集中力はすごかったですね。
緻密な作品で、すばらしかったですよ。

【解説】
広島市では、「広島市高齢者作品展」というのを毎年開催しています。
デイサービスや老人ホームなどで作品作りをおこなうことなども あるだろうと思います。
作品展に応募するという目標があれば 制作のはげみになりますし、
何歳になっても表彰されるのはうれしいものです。
高齢者作品展に取り組まれてみてはいかがでしょうか?

 

たかの橋 きよたん
食べログ
https://tabelog.com/hiroshima/A3401/A340116/34004110/

もう酔っ払いでしたので、このあとはメニューが何だったのか、ちっとも思い出せませんが
おいしかったことは確かです。

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それと
熱、咳や下痢のある人は
高齢者施設や病院などにお見舞いには行かないよう お願いいたします。

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