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心に残る出会い132 恥ずかしがり屋だったMさん

2020年11月29日  

毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。

Mさんは73歳。
小児期に大きな手術を受け、胸に大きな手術痕がありました。
そのためかどうか、Mさんは とても恥ずかしがり屋でした。
「でっち奉公」のような形で就職したのですが、
「食事を食べてよい、と 誰も言ってくれなかった」。
食べていいか聞くのが恥ずかしかったために 誰にも聞くことができず、
就職して3日間 何も食べず、フラフラになってしまった、というほどだったそうです。

その後、Mさんは脳梗塞で片マヒとなり、
階段から転落して頸椎症にもなってしまいました。
それでも電動車いすで近所のラーメン屋に出かけるなど出来ていたのですが、
年齢とともに次第に動けなくなり、訪問診療となりました。
御自宅で私たちのはじめての出会いです。

Mさんは、動けなくなってきたので、臀部にじょくそうが出来ていました。
しかし恥ずかしくて それを言うことが出来ていなかったのでした。
私どもの診察でじょくそうが発見され、
デイサービス利用時に 施設の看護師にて処置してもらうことになったのでした。

最初は人見知りも激しく、人間関係の構築に時間がかかりましたが、
慣れてしまえば いろいろジョークも出てくるようになったのでした。

Mさんは、デイサービス先に 友達が出来ていました。
しかし、お友達とデイの都合で、利用する曜日がMさんと合わせることが出来なくなってしまったのです。
すると友達に会えなくなったMさんは、デイに行くのをやめる、と言いだしました。
言い出したら もう他人の言うことは聞きません。
そのままデイサービスとは無縁になってしまったのでした。

そうなると、やはり身体状況の確認が出来ません。
ふたたび じょくそうが生じてしまったのです。
デイにはもう行かない、というので 本人をなんとか説得して
訪問看護に入ってもらうことになりました。
ぐいぐいと懐に入っていき信頼を得る訪問看護さんの会話術は さすがです。

Mさんは、夏の暑さで食欲が落ちました。
体もやせてきて、めっきり力が落ちてきたのです。
あるとき、床で倒れて起き上がれなくなって ヘルパーさんに助け起こしてもらう
という状況となりました。
本人と相談したところ、病院には行かない、家に最期までいる、と。
家で死ぬから あとは先生よろしく、ということになりました。

そこからは急速に弱り、Mさんは御自宅で静かに亡くなられました。

Mさん、せっかくデイサービスでお友達が出来ていたので
なんとか日程調整が出来て 毎週会うことができればよかったですね。

 

【解説】
デイサービスに行きたがらない人、入浴利用をいやがる人というのは
ときどき おられます。
たとえば乳癌の手術後の方など、他人に裸を見られるのを極度にいやがられるかたもおられます。
これは仕方ないことなんでしょう。

幼少時に手術を受けている方のなかにも デイ利用をいやがる方もおられます。
はっきり聞いてみたことはないのですが、
こども時代に 傷跡のことをからかわれたり、いじめられたりした経験があるのではないかな、と思います。

デイに行くことを無理強いは出来ないのですが、
「行ったほうが 明らかに本人のために良い」というケースがほとんどですので
なんとか デイを受け入れてもらえればいいがなあ・・・、と思うことが多いです。

 

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