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心に残る出会い134 食事を食べずに2年間生きたIさん

2021年01月31日  

毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。

Iさんは96歳。
認知症が進行し、自宅生活が困難となりグループホームに入所していました。
あるとき肺炎となり病院に入院。
肺炎は治ったのですが、ほとんど食事をとらなくなってしまいました。
身寄りは 遠い親戚の方がおられるだけです。
胃瘻など不自然な強制栄養は希望されず、自然に、と希望されました。
病院にいても 特にやることはありませんので退院、食べないのであとは看取りを、という話になりましたが、グループホームは退院受け入れを拒否されました。
看取り対応をおこなっていないホームだったのでしょう。
そこでいったん有床診療所に転院し、すでに申込がすんでいる特別養護老人ホームの順番を待つことになりました。

状態が悪く、看取り対応が選択されている方の場合には、特養では順番がすぐ来ます。
入所の判定会議で 最優先入所ということになるのです。
(看取り対応をしていない特養では 申込そのものが出来ないケースです)。
入所が決まり、当院に担当医の依頼がありました。
特養で当方のはじめての出会いです。

認知症はありますが、昔話は出来ますし、意志表示もできます。
嚥下が悪いわけではないのだが、食事は食べない。
しかしお菓子や栄養補助の液体は飲めます。
エ○ーボという、処方箋で出せる栄養補助缶と、お菓子での生活が続きます。
それからIさんは 2年間 かわりない日常をすごされました。
最期はその特養で しずかにお亡くなりになりました。

Iさん、食事を全く食べないので、1~2ヶ月程度の短期間しかもたないだろう、と誰もが思っていたのですよ。
お菓子いろいろ、とくに お煎餅 と エ○ーボ の底力。すごいですね!

【解説】
差し入れなど お菓子タイムに個別に対応してもらえる施設かどうか、というのは
事前に確認されておいたほうが よいと思います。
アイスやジュースは、施設の冷凍庫・冷蔵庫のスペースを借りることになりますので、
対応を断られる施設もあると思われます。
Iさんは、1年目の夏は アイスクリームだけで乗り切りました。
以前に御紹介したこともあるように、「高級アイスなら何とか食べられる」、という状況の方も けっこうおられるのです。
Iさんの場合は、アイスのほかには せんべい、ゼリー、甘納豆、調子よければ菓子パンなどを食べておられました。
御家族の差し入れ、というのは 大きな力を持っている、かもしれません。

Iさんに限った話ではありませんが、
夫が生きている間は 夫に食べさせねばなりませんので 食事を作って食べていたけれども、
夫が亡くなった後は 食事は食べなくなり、煎餅などのお菓子だけですませている、
という高齢ご婦人は 実は珍しくないんですよ。

 

 

いただきものです。
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