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心に残る出会い141 夫婦で尊厳死を決めていたKさん

2021年08月29日  

カープ、
勝ちはいいですね、野村投手に勝ちがつけば なおよかったですが。
今日は床田投手です、応援しましょう!

さて、毎月最終日曜日は心に残る出会いです。

Kさんは84歳。
あるとき、突然 当院の外来を夫婦で受診され、今後の主治医かかりつけ医になってください、と話されました。
これが私たちのはじめての出会いです。
事情を聞いてみますと・・・。

Kさん夫婦には子供がいません。親戚の数も少ないです。
ですから親戚どうしの付き合いは 親密なものがありました。
おばさんの入院時に、病院に何度もお見舞いに行かれたのでしょう。
「おば が いろいろ管につながれたまま 最期まで治療を受けていたのをみて、延命治療、胃瘻、人工呼吸などは受けたくない。最期は自然に、自宅で。」 、と思われていたそうです。公正証書作成し 尊厳死することを明記。御夫婦で尊厳死の意思表明されておりました。葬儀の依頼先なども 手配を済ませておられました。

そのKさんに、健康診断で肺癌の疑いが出ました。
病院の呼吸器内科を受診し、ほぼ肺癌で間違いない、気管支ファイバーの検査を受け、そのあとで治療の相談を、と説明を受けました。
Kさんは、もう十分生きた、今さら苦しい検査や治療は受けたくない、自然に平穏に、と思われたのでした。
病院での説明を かかりつけ医に伝え、自然に平穏に尊厳死を、との希望も伝えたところ、なんとそのかかりつけ医は 怒り出したそうなのです。
検査・治療は受けるべきだ、平穏死だの尊厳死など認めない、そんなこと言うなら 当院では二度と診ない、と。
困ってしまったKさん夫妻が 「尊厳死」で調べて、当院にたどりつき、今後のかかりつけ医を依頼に来られた、というわけだったのでした。

そもそも その先生は 往診・訪問診療をおこなっておらず、自宅で最期までというのは とうてい無理な状況ではあったのです。

大丈夫ですよ、当方は尊厳死協会の理事・協力医でもありますし、往診・訪問診療、そして在宅看取りにも対応しておりますよ。ご安心ください。

肺癌は、さいしょは症状はほとんどありません。
おだやかな日々をすごすことが出来ました。
あるとき、どの程度 肺癌が進行してきているか知りたい、とKさんが希望されたため
CTを撮影してみましたが、腫瘤増大、胸水少量貯留というように、やはりゆっくりですが進行はしてきておりました。
今後は咳の悪化、食欲低下・体重減少、運動時の息切れ が出てくる可能性が高いでしょう。今のところ 痛みが出てくる所見はありません。 しっかり食べ、しっかり動きましょう、と生活指導をおこないます。

ある日、Kさんは自宅で転倒し、大腿骨骨折をおこしてしまいました。肺癌がありますので総合病院に入院して骨折手術です。リハビリをおこない、トイレ歩行が出来る程度に回復して退院しましたが、めっきりやせて、体力の低下は明らかでした。食事も少量しか食べられません。長い入院で、少し認知症も出てきておりました。訪問リハビリを導入し、日常生活の維持につとめます。
その2ヶ月後、今度はしりもちをついて腰椎圧迫骨折です。
しかし今度はKさん夫婦は、入院は希望されませんでした。入院すると面会できないし、認知症も悪化する。このまま自宅で最期まで生活する、と覚悟を決められました。
何かあった時には 訪問看護さんもすぐに駆けつけてくれますし。

いよいよ食事を受け付けなくなり、もう残された日が少なくなった時、Kさんは「弟に会いたい」と言いました。
これまで そんなことは言わなかったのに。
妻が急いで連絡し、広島に来ていただきました。
弟さんと話をして、ニッコリされた、とのことでした。
それからは妻と弟さん夫婦とで 交代で介護にあたります。

ある朝、ふだんなら妻だけが介護している時間でしたが、たまたま弟さんたちも部屋に来てくれていました。全員がそろっている状況で、Kさんは静かに息を引き取られたのでした。

Kさん、最期の時が近いことを 感じられたのでしょうかね。
弟さんたちとも 会って話ができて。最期には全員がそろって、よかったですね。

【解説】
往診・訪問診療をされない医師も たくさんいます。
高齢医師など体力的にしんどい、という場合もあるでしょうし、 今回のKさんの担当医のように 在宅死・尊厳死・平穏死などは認めない、という医師もいるのでしょう。
さすがに今回のような医師は 私たちもはじめて聞きましたが・・・。
最期までちゃんと診て下さいますか、先生が看取ってくださいますか?
ということを 早い段階で医師に聞いて 確認しておかれたほうがよいと思います。
尊厳死協会のホームページには「受容医」リストが出ていますし、
訪問看護あるいは地域包括ケア支援センターに聞いてみれば 往診医についての情報も教えてくれると思います。
もちろん当院に相談に来られてもいいですよ。
(相談は平日午前にお願いします。)

 

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広島市 新型コロナウイルスワクチン接種会場・予約方法
https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/korona/217375.html
接種を受けるには接種券、および事前に予約が必要です。
若い人たちはウェブ予約がよいでしょう。
電話で、という方は、
広島市 新型コロナワクチン予約コールセンター
050-3644-7513  9時から17時。土日祝日も対応
***
広島県新型コロナウイルスワクチン接種コールセンター
電話番号:082-513-2847  24時間
***
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電話番号:082-569-5288

 

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新型コロナウィルス感染症に心で負けない行動を!
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