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心に残る出会い78 在宅酸素で退院したMさん

2016年02月28日  

毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。

Mさんは81歳。
半年前に肺癌と診断されていました。
肺炎をおこし入院。
癌も増大、あちこちに転移も出現しています。
肺炎は落ち着いたのですが肺機能は改善せず、
酸素吸入となっていました。
痛みがありオピオイド(医療用モルヒネ)も開始、
食欲低下しておりステロイドも開始となっておりました。

モルヒネで痛みが落ち着いたところで
「家に帰るには今しかない!」。
在宅医を引き受けてくれるかどうかの問い合わせがあり
当方はもちろん2つ返事でOKです。
さっそく翌日退院となり、退院後の御自宅に往診して
私たちのはじめての出会いです。

あんまり急な退院で病院側もバタバタしたようで、
在宅酸素で退院したのですが、指示書もまだ出ていない状況。
ただちに当方が在宅酸素指示書を書く、という状況でした。
訪問看護の指示書も当院が発行します。

退院して、痛みはほとんどなくなり、食欲はだいぶ回復しました。
やっぱり家はいいですね。
酸素吸いながら 自宅のお風呂にも はいりました。
お孫さんが来てくれて、とてもうれしい、と話されていました。

退院して1週間目には、再び痛みが出てきました。
食欲もなくなり、痛み止めの基本薬は貼り薬に変更です。
また夜間は眠れるように薬を調整します。
食欲不振に対して、漢方薬はイヤ、ということで
ステロイド増量で対応していきます。

次第に、痛みの出てくる間隔が短くなってきました。
臨時使用のオピオイドの回数も増えてきます。
御家族も、痛がる姿はみたくない。
そこで貼り薬は早め早めのタイミングで増量していきます。

日曜日の朝。
Mさんは、もう起きてくることはありませんでした。
呼吸は穏やかで、苦しそうではありません。
もう痛み、苦しみは感じておられないでしょう、と
現在の状況を説明します。
聴力は最後まで残ると言われています、
どうぞ手を握って、楽しかった思い出など話しかけてあげてください。

その日の夜、Mさんはそのまま静かにお亡くなりになりました。
昼の間、呼吸が乱れるようなことは全くなかった、
最後に大きな息を一つして、それで静かになりました、と。
日曜だったので、近い親戚はみんな会うことができました、と。

Mさん、みんなに会えて よかったですね。

みんなに会える日、会えるタイミング。
それを見計らったかのように旅立たれる人が多いように思います。


いぶしぎん
当方に合うと思われる日本酒がはいると、すすめてくれます。
どんな日本酒があるのか、毎回楽しみですね。
龍勢 無濾過生原酒 初しぼり

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