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心に残る出会い85 最期に家に帰りたかったIさん

2016年09月25日  

毎週 最終日曜日は 心に残る出会いです。

Iさんは57歳。
パーキンソン病とは長いつきあいです。
18年前に乳癌の手術を受けていましたが、
3年前に骨転移が発見されました。
その後 骨転移部分が骨折をおこし入院。
痛みもあり寝たきりになってしまいました。
3ヶ月の入院中に、みるみる衰弱がすすみました。

Iさんは3人姉妹です。
程度は異なりますが、みなそれぞれ聴覚障害がありました。
唇の動きを読んだり、手話だったり、筆記だったり、
コミュニケーションをはかります。
3人姉妹の間のコミュニケーションは、それは手慣れたものです。
Iさんは、家に帰りたい、と希望されました。
病院の担当医や、ケアマネージャさんに 姉たちはIさんの希望を伝えます。
そうしてIさんは自宅に戻ってくることになりました。

退院後の御自宅で、私たちのはじめての出会いです。
食欲は落ち、パンと水分しか口にできません。
やせが目立つ状態でした。
入院前は 歩けて、しゃべれていたそうですが
今は口は動くのですが 聞き取れないほどの声しか出ませんでした。

退院してから数日。
さらに食欲は落ちてきます。
薬も飲めなくなってきました。
また、眠る時間が長くなり、返事をしないことも多くなってきました。
呼吸も少し弱くなった感じです。
お姉さんたち二人が 泊まり込みされることになりました。

その深夜。
お姉さんたちがウトウトした間に
Iさんは息を引き取っていました。
痛みや苦しみはありませんでした。
静かな静かな最期でした。

最後、家に帰りたいと本人が言っていたので
家に最期までおれて よかったです、
と お姉さんたちは言っておられました。

Iさん、最期まで意志をくみ取ってくれるお姉さんたちがいて
よかったですね。

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とくに新しい情報はありません。

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間質性肺炎や肺気腫・COPD、肺がん手術や肺結核治療後の低肺機能など
在宅酸素使用中、あるいは在宅酸素を勧められている段階の方などが対象です。
講演会ではなく、一人ひとりの状態にあった懇親・相談会。
定員は20名、申し込み先着順。

日時:2016年9月25日(日)13:30-15:30
会場:デイサービス「古田のおうち」
広島市西区古江新町8-23
参加費:無料
申込:電話082-272-2701
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