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施設での看取りも可能です

2012年01月11日 , 

昨夜は、老人ホームに入所中の肝臓がんの方の
看取りをおこなってきました。
施設によっては、「状態が悪化すると すぐに病院へ送る」、
というところもあります。
本人・家族が、「そのまま施設ですごしたい」、と希望されていても。
いっぽう、希望があれば最期まで看取るという施設もあります。

施設での医療は、今後大きく変わっていくでしょう。
どうあるべきか?を考えるために
私たちは 広島施設医療勉強会 を立ち上げています。
(代表が私、折口内科医院 高橋浩一です)。

次回、第4回の勉強会は1月19日ですが、
施設関係者に限定のクローズドな勉強会です。
一般の方が参加できる公開勉強会をおこなうときは
当ブログで広報しますね。

本日のお勉強は 在宅緩和ケアをおこなった膵臓がんの1例

写真は駅前福屋 一福の 白いか天ぷらそば
そばが食べたくなった時にときどき行きます。
昔、一福は女学院のすぐ近くにあったと思うのですが
今はそこにはなくなっています。
a siroika.jpg
★インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

本日のお勉強
在宅緩和ケアを行った末期膵臓癌患者の1例
広島医学 2011年11月号
呉記念クリニック 栗原 毅 先生ほか
要点
67歳、男性。
総合病院外科に紹介されたが進行癌で手術は不能。
化学療法の効果がなくなり支持療法のみとなった。
病院主治医からは入院による高カロリー輸液など治療をすすめられたが
本人が在宅療養の継続を希望された。
当初はオキシコドン内服。
内服が困難になってからはフェンタニル貼付薬を使用し
疼痛コントロールができた。
訪問診療開始80日目に在宅で永眠された。
1年後に妻と面談し、「自分が想像していたより終末期の本人は楽そうであった」などのコメントをいただいた。
***

論文発表は、「何が新しいことなのか」、
がはっきりしていないといけないと
私どもはずっと教育されてきました。
そういう意味では
今回提示された症例については
目新しい点は何一つありません。
私なら、この1例は論文には書けない。
そこを書いた栗原先生、審査のうえ掲載した広島医学、
すばらしいです。

何がすばらしいか、というと
病院の先生の意識が変わらないと
在宅医療・在宅緩和ケアは普及していかないから、です。
食べられないから入院しましょう、
食べられないから高カロリー輸液しましょう、
と病院の主治医は言うのです。
家ですごしたい、という希望に応えられる
訪問診療医(在宅医)や訪問看護ステーションがある、ということ、
自宅で亡くなられた後、御家族から「よかった」と
感謝されること。
そういうことを病院主治医は知らないのです。

広島医学は、病院の勤務医の先生方も見ている人はいます。
在宅医からみれば何のことはない1例なのですが
この1例報告が病院の先生の目にとまってくれることを
願っています。
そして、
最期は病院で点滴して病院で死ぬのが当たり前、
という考え方を脱していただければ、
と思っています。

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