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本日は研修会

2012年10月14日  

本日は東京で厚生省の在宅医療リーダー研修会です
ipadから初のアップです
本日のお勉強は癌性髄膜症について。

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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

難聴で発生した胃癌による癌性髄膜症の1剖検例
広島医学 2012年6月号
呉医療センター消化器科 小林 知樹 先生ほか
要点
癌性髄膜症は予後不良で、急激な経過をとることが多い。
多彩な神経症状を呈するために診断に難渋することも多い。
難聴で発病した胃癌による癌性髄膜症の1例。
難聴が出現した1ヶ月後に意識低下で入院、11日後に死亡。
癌性髄膜症は悪性腫瘍患者全体で5〜8%に合併。
癌性髄膜症をおこす癌は、欧米では乳癌、肺癌、
本邦では胃癌が多いとされている。
癌性髄膜症と診断された後に原発巣が発見されることも少なくない。
症状は多彩で、頭痛、嘔気、精神機能の変化、難聴、嚥下障害、
歩行障害、しびれなど。
予後は不良で、無治療ならば生存期間中央値は4〜6週、
治療例でも2〜4ヶ月。
確立された治療方法はない。
多彩な神経症状を呈する時には、癌性髄膜症も念頭に置くべきである。
***

脳をとりまいている液体を髄液、
それを保っている膜を髄膜と呼びます。
癌細胞が髄液にちらばってしまう状態が癌性髄膜症です。
(癌性髄膜炎とも呼びます)

肺癌でも癌性髄膜症は珍しくはなく、
何例か経験しています。
ごくありふれた症状からはじまって
あれよあれよという間に歩けなくなり、
意識状態もどんどん悪化していきます。
CTで診断をつけることは難しく、
MRIで癌性髄膜症の疑いを持つことになりますが、
MRIの予約が混んでいると(たとえば1週間待ちだとすると)
待っている日数のあいだにどんどん悪化していき
何とか緊急で割り込み検査をさせていただくことになります。
でも、
診断がついたところで
抗がん剤治療のほかにやれることはなくて。
診断結果と、今後の見通しを御家族に説明するときに
非常に気が重かったことを思い出します。

意識が少し混濁してくると
変なことを口にしたり、性格が変わったようになったり、
変な行動をするようになったりする時期があり、
病気がそうさせているのだとわかっていても
御家族も、我々医療者もつらいものがあります。
立派だったあの人が、こんなになってしまうなんて・・・。

癌性髄膜症というものがある、ということだけ
頭のすみに置いておいていただければと思います。

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