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水商売・ニセ医学に御用心

ニセ科学の分野に、「水商売」というものがあります。
超××水、活性××水、波動××水、××電子水、などなど。
非科学的な内容の一群を、まとめて「水商売」と分類して呼んでいます。
水そのものを高額販売したり、水の精製機を高額に販売したりします。
これで「薬効」をうたえば、その瞬間に「薬事法違反」になります。
でも、考えてみてください。
誰も単なる水なら買いません。
がんに効く、アトピーに効く、万病に効く・・・と薬効をうたうので購入するのです。
ですから、ニセ科学=水商売は、ニセ医学と直結しています。
こういったインチキ商売は、がんや難病患者の不安につけこんできます。
私たちは、癌患者および癌患者家族の貴重で大切な健康・時間・お金をニセ医学から守らねばなりません。ニセ医学にムダな時間をとられ、標準的治療を受ける機会を逸するケースが多くみられます。友人関係や親子兄弟関係にヒビがはいるケースすらあるのです。

今回は「泉力」事件を御紹介します。

記事1:薬事法違反で販売店主逮捕
薬事法違反:医薬品扱いの水、無許可陳列 新潟・健康食品店経営の容疑者逮捕 /新潟
毎日.jp 9月8日
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20090908ddlk15040121000c.html

医薬品とする水を許可なく店に陳列したとして、県警生活保安課と江南署は7日、新潟市中央区高志2、健康食品店経営、長谷川テル容疑者(63)を薬事法違反(医薬品の無許可販売目的陳列・貯蔵)の疑いで逮捕した。
逮捕容疑は同日、経営する同区京王1の健康食品店「八字屋(はちじや)」で、500ミリリットルペットボトル入りの医薬品「超ミネラル水『泉力』」33本(計10万3950円相当)を医薬品の販売許可がないのに陳列・保管したとしている。
同課によると、泉力は厚生労働省から医薬品の認可を受けていないが、ラベルに「免疫力や自然治癒力の回復強化に役立つ」などと記されていたため、薬事法に定められた医薬品にあたると判断した。長谷川容疑者は容疑を認め、「違法だと思わなかった」と供述しているという。
泉力はインターネットでも販売されていることから、同課などは、全国での流通方法や水の成分などを調べている。【黒田阿紗子】

記事2:卸会社社長逮捕
薬事法違反容疑で社長逮捕 薬効うたい飲料水販売、新潟県警
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/122648

新潟県警は17日、無許可で免疫力の回復や強化などの薬効をうたった飲料水を販売したとして、薬事法違反(医薬品の無許可販売)の疑いで栄養補助食品販売会社「パラサイト」社長早坂孝吉容疑者(60)=東京都港区=を逮捕した。県警によると「医薬品ではない」と容疑を否認している。
逮捕容疑は3月中旬、医薬品販売業の許可を受けずに、新潟市中央区の健康食品店に医薬品の効能が書かれた飲料水「泉力」(500ミリリットル)108本を5万4千円で販売した疑い。
県警によると、同社は2006年以降、約20都道府県の特約店や顧客に約4千本を販売した。
泉力には東京の医師による「超ミネラル認定」と書かれたシールが張られており、県警は医師の関与の有無を調べる。
健康食品店の経営者は7日に同法違反容疑で逮捕された。

その他の情報:
この東京の医師というのは、この報道の後、海外逃亡しているのでは、という医師MLでの情報です(真偽は未確認)。
また、「泉力」のホームページは現在休止状態になっています。

ニセ医学、ニセ医薬品の摘発情報については
薬事法.com なんていうサイトもあります。
(このサイトを優良サイトとして推薦しているわけではありません)
http://www.yakujihou.com/ab/content/news.html

「万病に効く」、というものはありません。
楽してもうかる方法、必ずもうかる方法がないのと同様に、
万病に効く水・薬 というものはありません。
ニセモノにだまされないよう、患者側も賢くなりましょう。

写真はしろくま。
福屋八丁堀店の地下 食品売場にて 鹿児島県天文館むじゃきの「しろくま」 を発見。
ただちにゲット。525円。
P1100720.JPG
★新型インフルエンザH1N1情報
新型インフルエンザで重症になった症例のまとめが厚生労働省HPに公表されています。
21日の当ブログで少しだけ紹介しましたが、
9月17日から18日にかけ厚生労働省から我々あてにいろいろな資料が流されました。
この資料もその一つです。
よもやWEB上に公表されるとは思いませんでした。
これまでは広島県感染対策委員などの医師にしか流れてこなかったのです。
(私のところには こうした資料・情報は即日来るようになっています)
公表する、ということは、それだけ厚生労働省は危機感を持っている、ということでしょう。

東広島医療センターで、がんばって救命できた症例も紹介されています。
医療関係者しか必要のない資料ですが、
医療関係者は一度目を通しておくと疾患概要が理解しやすいでしょう。
pdfで70ページもあるので、印刷するにはちょいとしんどい。
レントゲン写真もあり、印刷するよりも直接確認してみてください。

国内における新型インフルエンザ症例集
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/09/dl/info0918-1d.pdf
医療関係者以外の方には理解がむつかしいでしょうから、御覧にならなくてかまいませんよ。

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