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福は内、鬼は外、福ます

2020年02月2日  

昨日は広島市医師会夜間急病センターで勤務でした。
やはり高熱の患者さんが多く、序盤はけっこう忙しかったですが、
インフルエンザの患者さんは思ったより少なかったです。
まわりにもインフルエンザはいません、という方も多く、ピークをすぎつつあるのでしょうか。

繰り返しになりますが、
「コロナウィルスが心配だ」という方は
夜間急病センターに来ても 何もなりません。
検査はごく限られた病院や 県や政令市の衛生検査センターでしか 実施できないからです。

 

検査は、「検査結果にて治療方針に違いが出る場合のみ」行う、というのが鉄則です。
インフルエンザにはインフルエンザ用の治療薬がありますので、インフルエンザの検査は実施する価値はあります。
しかし、
「子供が昨日(あるいは一昨日)、インフルエンザと診断されました、つきっきりで看病していました」
という親御さんに対しては
症状が合致していれば それだけでインフルエンザと診断し治療します。
検査する必要がないのです。
状況から、検査結果にかかわらずインフルエンザ治療薬を処方することになるからです。
(医療従事者の方は、検査前確率、検査後確率 という概念を勉強しましょう。
偽陰性・偽陽性とか、潜伏期間、という概念も必要ですね。)

 

治療方針に影響を与えないなら、検査はしない。

たとえば
アデノウィルスの検査キットはあります。
では、
アデノウィルスと診断がついたとして、特別な治療はあるでしょうか。ありません。
水分をしっかり飲んで、暖かくして安静にしてくださいね。
としか 言いようがないのです。
あとは対症療法だけです。
咳があるなら咳止め。熱があるなら解熱剤。ノドが痛いならうがい薬やトローチ。
これは検査ではなく、問診でわかることです。
アデノであろうと、他のウィルスであろうと、治療は同じ。
検査結果にかかわらず治療は同じ。
ならば
アデノウィルスの検査は 夜間急病センターではおこなう価値はありません。
当方はアデノウィルスの検査は おこないませんし、おこなったこともありません。

コロナウィルスに対しても、特別な治療は 存在しないんですよ。
検査は、肺炎や重症例に対してだけおこなえば それでよいと思います。
検査を求めて病院に押し寄せる、なんていうのは やめてくださいね。

 

もっとも、
「自分(医師)はアデノと思ったが、実際はどうかな?」
ということが知りたいなら 検査の意義はあるでしょう。
こうして診断能力を高めていき、不要な検査をしなくなれば 徐々に名医に近づいていくでしょう。

 

御菓子処高木 の 季節の上生菓子。
福は内。鬼は外。福ます、ほか。和菓子は美しく、楽しいですね。
この上生菓子は2月3日まで、です。

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栄養と睡眠をしっかりとり、体力を向上しておきましょう。
それと
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