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膝関節症へのグルコサミン内服、予防効果なし

2012年11月21日  

カープ、野村の新人王、よかったですね。
セリーグでは他に並ぶ者のない立派な成績でしたので
当然ですけれども、
10勝にいかなかったので、そこだけ心配でした。
来年もがんばってもらいましょう!

さて、
グルコサミンなどサプリの宣伝がたくさん流れていますね。
本当に効果あるのでしょうか?
その回答、最新版が出ました。

変形性膝関節症へのグルコサミン内服、初のRCTでは予防効果得られず
日経メディカルオンライン2012年11月19日
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/acr2012/201211/527823.html
ええと。
基本のおさらいです。
人間は、食べたものをそのまま人体として活用するわけではありません。
消化・吸収という過程を経て、
必要なものは自分の体の中で合成していきます。
タンパク質であれば、いったんアミノ酸レベルまで分解して
それを自分の体にしていくわけです。
ですから
牛肉を食べて、自分の筋肉に牛の筋肉が身に着くことはないです。
鳥皮を食べて、自分の皮膚が鳥皮になってしまうことはないです。
同じように
コラーゲンなりナンチャラなりを口から食べても
それがそのまま自分の体に到達するわけではないです。
「関節を構成する成分」を口から食べても
それが関節に行くわけではありません。
これが基本的事項です。

で、
グルコサミンを口から摂ってみた人のグループ、そうでないグループを作って比較。
その結果は、膝関節症の予防効果なし、というものです。

では、予防効果ではなく、
鎮痛効果でみればどうでしょうか?
これはすでに回答が出ています。
製薬会社エーザイのサイトを御紹介しておきます。
http://www.pariet.jp/helpful/vol55/no571/sp03.html
質問:変形性膝関節症などに市販の飲むヒアルロン酸は効果があるのでしょうか
回答:東京大学医学部整形外科 准教授 川口 浩
要点(一部引用)
これらサプリメントの社会への浸透のきっかけを作った論文は、ベルギーの Reginster らが2001年に発表した論文です。1) 彼らは、変形性膝関節症患者を対象とした無作為対照臨床試験において、グルコサミン投与群で、臨床症状のみならず、レントゲン上の軟骨破壊を有意に抑制したと報告しました。すなわち、グルコサミンは変形性膝関節症の対症療法ではなく軟骨保護作用を持った根本的治療法であると主張したのです。
これに対し
Reginster の論文に対してはその後、患者の割り振りや分析法などに関して多くの疑問・反論がなされました。そこで米国のNIHが主導の多施設二重盲検試験(GAITスタディ)が行われました(図)2)。
これによると、グルコサミンやコンドロイチン硫酸はほとんど疼痛抑制効果(WOMAC指標で20%痛みを軽減する割合)は見られないという結論でした。

つまり、鎮痛効果あり、という論文が1本出たが、
その分析法などに疑問がある論文だったため
NIH(日本でいえば厚生省に相当)が二重盲検試験をおこなったところ
鎮痛効果はみられない、という結論が得られた。
ということです。

口から食べて
それがそのまま自分の体になるわけではない、
という基本を忘れないようにしましょう。
コラーゲンたっぷりのプリプリお肌になりたい、という方は
コラーゲンを食べるのではなく
ビタミンCを摂るようにしてください。
(今回はその理由の紹介は省略します。またいつか後日に。)

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