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自分の判断で使う癌鎮痛薬

2010年10月23日 ,, 

21日(木)は、広島市民病院で開催されたがん医療従事者研修会に参加してきました。
テーマ:PCAについて
講師は広島市民病院 緩和ケアチーム 武藤 純先生(麻酔科)でした。

ヤマサキナビスコカップ
デオデオ本店1階に優勝杯が飾ってあります。
ぜひがんばってもらいたいですね。
yamasaki3.jpg
★インフルエンザ情報
広島市衛生研究所の検査結果では、先週の新型インフルエンザに続いて、A香港型が患者1人(男性・11歳)から検出されています(10月20日現在速報値)。
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1268284008999/index.html
宮崎県都城市の都城高専の学生寮で、新型インフルエンザの集団感染が発生
2010年10月21日09時13分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101020-OYT1T00542.htm?from=y10
A香港型H3N2と新型2009A/H1のどちらが今シーズンの主流になるのか
まだわかりません。

さて、がんの鎮痛薬の使い方。
これまでの方式をちょっと考えてみましょう。
たとえば、入院中に痛みがある時、
ナースコールを鳴らして、「痛いから痛み止めを下さい」
なんて告げるとしますね。
すると看護師さんは、
「主治医に聞いてみますので、ちょっとお待ちくださいね」
と答えて、その場を離れていきます。

主治医がすぐに連絡つけばいいのですが、
何らかの理由で連絡がつきにくいこともあります。
休日や夜間、学会出張中、手術中など。
すぐには電話に出られないこともあるのです。
主治医からの痛み止めの指示をもらって 患者の手元に薬が届くまで
数分ならいいほう、数十分かかることもあるでしょう。

待たされている間、
痛みで苦しんでいる患者・家族は、
「もう~! 痛くて苦しんでいるのだから、早くしてよ!!」
と思うことでしょう。

患者さんを痛みで苦しめるようではいけません。
そこで対応策としては
方法1:看護師にあらかじめ指示を出しておく方法。
痛みがあれば この薬をこれだけ使用、
熱があればこれこれ、
便秘であればこれこれ、
というように、想定される主要な事態に対応指示を出しておくのです。

この方法は、多くの病院でおこなわれています。
麻薬の臨時増量などもこの方法で使用されることが多いように思われます。
いちいち医師の決済をあおがなくてよいので、いい方法ですね。

でも、
もっと工夫できます。
方法2:患者にあらかじめ指示を出しておく方法。
患者があらかじめ薬を持っていて、使用方法を学んでおけば
看護師を呼ばなくても自分の判断で薬を使用することができます。
これだと、苦痛症状が出たとき、
ナースコールを鳴らしたりする手間が不要になるので
ただちに薬による対応ができますね。

PCA というのは
鎮痛剤の持続点滴・持続皮下注射をおこなっている時に
痛みがでれば患者の判断で臨時に増量していいですよ、
というシステムです。
痛い時にボタンを押せば、1回分の注射薬が臨時に増量できるのです。
痛ければいつでも薬が増やせる、というのは安心感につながりますね。
今回の研修会は、そのお話でした。

在宅医療をおこなっていると
ナースコールがあるわけではありませんので
医師や看護師に連絡し駆けつけてくるまでには数十分かかります。
連絡を受けてから対応を考える、というのでは遅いのです。
「あらかじめ起こりうる事態を想定し、
対応策を指示し、備えておく」
ということが何より重要になります。

そこで
あらかじめ数種類の臨時薬を使用可能にして使用方法などの説明をおこなっておく、
ということをやっています。
自分の判断で臨時薬を使用していいですよ、と。
鎮痛薬、解熱剤、吐き気止め・・・等々。

どのような事態を想定し事前に準備できるか、というのが
在宅担当医の腕の見せどころ、なんです。

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