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酸素吸引中に喫煙し火災…6年で26人死亡

2010年01月20日 ,, 

酸素吸引中に喫煙し火災…6年で26人死亡
Yahooニュース 1月15日20時49分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100115-00000628-san-soci

呼吸器科専門医が腰を抜かすような記事が出ました。
肺疾患で息苦しい状態の人に、酸素吸入が有効なことがあります。
入院でなくても在宅で酸素治療を受けることができ、
「在宅酸素療法」 と呼ばれています。
病院の外来や、まちなかで、酸素ボンベを引っ張って歩いている方を
ごらんになったこともあると思います。
これが酸素療法・在宅酸素療法です。

しかし、酸素を扱う時は 「火気厳禁」なのです。
酸素があると、火は勢いよく燃えてしまいます。
当然火事になりますね。
ですから、在宅酸素療法の対象となるのは
「喫煙しない人 というのが条件」 になっています。
また、酸素療法をしながらガスコンロでの調理をしないように、など
火にまつわる各種の生活指導をおこなってから 酸素療法が開始になるのです。

酸素には火気厳禁。
そんなことは中学生でも知っていることだと思うのですが、
どうなんでしょうね。
酸素療法中に喫煙する人が そんなにいたとは。

私ども呼吸器専門医は、喫煙者には在宅酸素療法はおこないません。
そういう基準・規定になっているのです。
もし喫煙している人がいれば、次の2つから選択してもらいます。
・タバコをやめ、禁煙したことが確認できてから酸素療法を導入する。
・タバコをやめないなら、酸素療法はできない。息苦しいのはがまんしてもらう。急死する可能性もある。
こう説明すると、ほぼ全員が即 禁煙されるのですけれども。
(それだけ 息苦しい という症状は きつい・つらいものです。
陸上で溺れているような状態、と考えてもらえばよいです。)

治療方法があるから、といって
それが全員に使用されるべきとは限りません。
癌があるから全員手術、とはなりませんし、
腎臓が悪くなったら全員透析治療、ともなりません。
年齢や体力、病気の理解度などにより
「この人は基準を満たしている」という場合のみ適用されるのです。

酸素療法も同じです。
タバコを止められない人に酸素療法はおこなうべきではありません。
在宅酸素療法は、呼吸器専門医でなくても
医師であれば誰でも開始の指示をすることができます。
でも、開始前にちゃんと説明や指導がおこなわれていたのか、どうか・・・。
酸素療法は安易に開始してよいものではありません。

息切れのある人は
どうぞ呼吸器内科で御相談ください。

今週の花 ツバキ、バラ
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★新型インフルエンザ情報
17都県で患者数増加
各都道府県のインフルエンザ定点当たり患者数によると、
2010年1週(1月4日~10日)は全国平均で9.18人となり、6週連続減少しています。
注意報レベル(10未満)より少なくなっています。

ただし、17都県で増加しています。
前週より増加したのは、奈良県(前週比1.4倍)のほか、東京都(1.32倍)、神奈川県(1.27倍)、千葉県(1.21倍)、愛知県(1.19倍)などで、首都圏での増加が目立つと分析されています。
広島県では減少していますね(0.90倍)。

でも、広島市では患者数は増加しています。注意報レベル以下の変動ですが。
広島市ホームページ1月18日更新情報
http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1240722519969/index.html

小児ではなく20歳以上の成人の感染が増加しているようです。
まだまだ安心できません。
うがい手洗い咳エチケット、それとワクチン。
よろしくお願いしますね。

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