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高血圧の判断基準は変わりません

2015年02月26日  

本日は午後から黄砂「やや多い」
PM2.5「多い」予測です。
外出時には用心しましょう。

さて、昨日は、
広島市内科医会学術講演会に出席してきました。
「治療ガイドラインについて考える」
・人間ドックの基準範囲とは
内科(糖尿病)久安医院 大久保雅通先生
・JSH2014におけるJSH2009からの変更点について
山口大学 梅本誠治先生
・動脈硬化性疾患予防ガイドラインに基づいた脂質異常症診療
江草玄士クリニック 江草玄士先生
・糖尿病治療ガイドラインについて
広島市民病院 望月久義先生
***

人間ドック学会の示した数値がマスコミに大きく取り上げられ
「(血圧の)基準値が変わったんですってね」
「私は治療しなくていいのではないか?」
など
診療現場に大きな混乱をもたらしました。

高血圧学会や動脈硬化学会は
すぐにホームページで見解を発表しています。
詳しく知りたい方は、以下 学会ホームページを御覧ください。

日本高血圧学会
国民ならびに医療従事者の皆様
人間ドック学会・健康保険組合連合会小委員会による基準範囲発表直後の報道を受けて
2014年4月14日に日本高血圧学会の見解を発表しておりますが、
http://www.jpnsh.jp/topics/351.html
最近の情報を追加でお知らせいたします。
http://www.jpnsh.jp/topics/361.html

日本動脈硬化学会
http://www.j-athero.org/
日本人間ドック学会からの健診基準値に対する日本動脈硬化学会の見解
http://www.j-athero.org/topics/pdf/140422-3.pdf

簡単にいうと
人間ドック学会がみているのは
「ある時点で 健康と思われる人の基準値」です。
将来、病気(心筋梗塞や脳卒中)になるリスクが高いかどうか、
ということは全く考慮されていません。
治療を受けるべき人かどうか、
予防に気をつけるべき人かどうか、
という視点がない、ということです。

これに対し
高血圧や脂質異常症、糖尿病のガイドラインというのは
たとえば10年後、重大な疾患(心筋梗塞や脳卒中)をおこすリスクはどうか、
そのリスクを下げるには どのような介入をすればいいのか、
という長年のデータ積み重ねから導き出された数値です。

私たちは 何のために
「減塩しましょう」
とか
「高血圧の薬、脂質異常の薬を服用しましょう」
と言っているのか。
それは、将来大きな病気になるリスクを減らすことが目的なわけです。

そういうわけで、
高血圧の判定基準は、140/90mmHg以上で 変更はありません。
というのが高血圧学会の見解です。

人間ドック学会から
今年中には論文が出て
どのような意図で算出された数値であるのか
詳しく解説される予定であるらしいです。

今週の花
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

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