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高齢者の楽しみを奪いますか

2012年09月16日  

9月17日開催の
「自然死」という「大往生」
中村仁一先生公開講演会
ですが、
定員に達しましたので参加受付は締切ました。
月曜日までに申し込まれた方は大丈夫です。
受付された方へ、個別に返信はしておりません。
(人数が多すぎて、個別対応は不可能です)。
定員を超えて申し込まれた方については
定員越えのため参加できません、と返信しております。
当方からの返信のない方は大丈夫ですので、お越しください。
なお、
会場はダリアからヒマワリに変更しています。
当日は自由席です。
遅く来場された方は2階席となりますので
御了承ください。

さて、
誤嚥性肺炎を繰り返す高齢者に対し、
誤嚥性肺炎予防目的での胃瘻は不適切だ、
というお話は9月12日の当ブログで紹介しました。

では、
胃瘻を作らないとして、
将来の見込みはどうなのか?

これについては、本年8月28日の当ブログで
すでに御紹介しています。
***
アルツハイマー認知症は、発症から約10年で死に至る疾患である。
重度認知症患者が半年以内に死亡する確率は24.7%(海外報告)。
肺炎、発熱、摂食障害を起こした患者の半年以内の死亡率は
それぞれ46.7%、44.5%、38.6%と高い。
***

つまり
誤嚥性肺炎をおこすような全身状態となれば
およそ半年しか生きられないのです
(あくまで平均値です。それより短い人も長い人もいます)。

これまで戦中戦後のきびしい時代を生き抜き、
戦後の日本の復興にも貢献し、
がんばって社会を支えてこられた方たち。
80歳90歳となり、
自分がどこの誰だかもわからない、
ここがどこで、今がいつかもわからない認知症状態となり
あと半年くらいの寿命となってから
「肺炎になるから飲むな食べるな」

絶食を強要(胃ろうやチューブ栄養)するようなことは
はたして人道的にどうなのでしょうか?

たとえば
盲腸の手術や胆石の手術で
この数日さえ食事をがまんすれば
また元通り食べられますよ、
というなら
絶飲食でもいいでしょう。

しかし、
認知症が進行して誤嚥性肺炎をおこすようになった高齢者は
絶飲食にしたところで
認知症がもとに戻ることはありません。
残念ながら進行するばかりなのです。
絶食にして胃ろうを作っても、誤嚥性肺炎は繰り返すのです。

この状態での高齢者の楽しみといえば、何があるでしょうか?
食事、おやつ、それに入浴。
日々の楽しみはそれくらいではないでしょうか。
残り少ない楽しみである「食べる楽しみ」を
あなたはこの方々から奪いますか?
絶食(胃ろう)は御本人が望まれ、納得されたことでしょうか?
それは人道的にみてどうですか、高齢者への一種の虐待ではありませんか?

栄養がないと死ぬではないか、と言う人がいます。
でも、
石飛幸三先生(平穏死のすすめ)などがおっしゃっているのは
食べないから死ぬ、ではなく
死ぬ時期が近づいてきたから食べないんだよ、
ということなのです。

繰り返します。
誤嚥性肺炎をおこした高齢者の余命は平均で半年程度です。
胃瘻では誤嚥性肺炎は予防できません。
その半年の間、
好きな物を口から食べられるだけ、食べて、飲んで、
少しでも喜んでいただいたら良いのではないでしょうか。

すべての人に、統一した意見を求めるものではありません。
多様な意見、希望があってよいのです。
ですが、
元気なあいだに、ぜひ考えてみていただきたいのです。
そして
「胃瘻でも何でもやって1日でも長生きしたい」、
あるいは
「胃瘻はしないでほしい」
などと具体的に紙に書き、
家族に話をしておいていただきたいのです。

パセーラ6階ミスホア ムーン
ソフトドリンクも各種あります。
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