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高齢者の肺炎は進行が早い

2011年02月10日  

高齢者の肺炎は、咳や痰という呼吸器症状がはっきりせず、
高熱も出ないことがあります。
何となく元気がない、食欲が落ちた、というだけで
肺炎を疑っておく必要があります。
今回、肺炎で入院となった方がおられるのですが
わずか数日前に某病院で人間ドックを受け、
とくに異常は指摘されていませんでした。
進行が非常に早い、ということも言えそうです。
とくに誤嚥されたわけでもないそうなのですが。

高齢者の肺炎はむずかしい・・・。

本日のお勉強は在宅寝たきり肺炎のお話。

いぶしぎん の 手作り餃子
いろいろな料理を食べたいですので、これもやはり2-3人で。
P1140321.JPG
★インフルエンザ情報
渋谷区が1歳から中学生までのインフルエンザワクチンの無料化を決定。
これは都内では初、とのことです。
無料化、やろうと思えばできるじゃないか、
無料化すれば接種率が上がり、
入院や死亡など重症化する人数が減るじゃないか、
ということを示せれば
国の政策としてワクチン無料化となっていく根拠となります。
Yomiuri online 2月10日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20110210-OYT8T00097.htm

本日のお勉強
在宅介護寝たきり肺炎の臨床的検討
日本呼吸器学会雑誌 2010年12月
倉敷中央病院呼吸器内科 福山 一 先生ほか
要点
505例の市中肺炎のうち66例が在宅介護ねたきり肺炎であった。
その大多数が誤嚥性肺炎であり、重症度、死亡率、再発率、在院日数が高かった。
在宅で生じる肺炎は医療ケア関連肺炎に入る病態と考えられる。

肺炎を考える時に、
どこで発病したか、で分類し、
市中肺炎と院内肺炎に分けて考えます。
院内肺炎であれば、耐性菌の率が高いなど、市中肺炎とは違った注意が必要なためです。
ちょっと前までは、介護施設や在宅で生じる肺炎も市中肺炎に分類されてきました。
このうち、施設で発生する肺炎については、医療ケア関連肺炎という分類がおこなわれるようになってきました。
院内肺炎に近い特徴のものであることが理解されてきたからです。

在宅療養中におこる肺炎について
誤嚥がほとんどであることは知られていました。
今回の検討で、在宅の肺炎というのも医療ケア関連肺炎に近い状況である、
ということが明らかにされました。

つまり、
在宅療養での肺炎は、一般の市中肺炎のように簡単にはいきませんよ
施設でみられる肺炎と同じように死亡率なども高いですよ、
ということです。

高齢者、とくにねたきりの人は、
自宅にいても施設にいても肺炎になる危険性はあり、
いったん肺炎になれば重症であり死亡する率も高い、
ということを御理解ください。
肺炎にならないようにする、というのが大事なのです。
そのためには肺炎球菌ワクチン、口腔ケアです。

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