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国民健康保険証が変わっています

2010年10月5日

10月から国民健康保険の保険証が変わっています。
1家に1枚、ではなく
1名に1枚となります。

広島市ホームページ
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1182928320215/index.html

毎月最初の受診日に
健康保険を受け付けに提示をするようお願いします。
「保険証番号なんて変わってないよ」、
と言う方もおられますが
実は変わっている、ということがよくあるのです。
「あれ、本当だ、変わっている」、
なんていうことは しょっちゅうです。

保険証の毎月確認、よろしくお願い申し上げます。

むろか の 刺身盛り合わせです。
ホタテ刺身、サンマなめろう、ほか。
小さくてもトコブシではなくアワビ。
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★インフルエンザ情報
今年の猛暑で、ワクチンの製造が遅れている、というお話。
Yahooニュース 時事通信 10月4日(月)4時11分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101004-00000010-jij-soci

インフルエンザワクチンは鶏卵から製造されますが、
あまりの猛暑にニワトリが卵を産まなくなり
予定の鶏卵が確保できず
製造スケジュールに遅れが出ているそうです。

今のところはワクチン希望者は例年どおりのペースですので
たちまち品切れになる状況ではありませんが
10月末から11月はじめ頃には欠品するかもしれません。

ハイリスクの人は早めに接種を受けておきましょう。

大江健三郎氏講演会に行きました

2010年10月4日

10月2日(土)は、
アステールプラザ大ホールで大江健三郎さんの講演会があり
参加してきました。
ノーベル賞(文学賞)受賞者であるとともに
広島とも非常につながりの深い方です。

広島に来るとき、用意していた切符が見つからず
新幹線切符を買い直して広島に来られたそうです。
そのお話からはじまって。
これには息子さんの大江光さんがかかわっていた話。
大江光さんがカープファンである話、
光さんが広島を題材にした音楽作品を作った話などへ広がり、
そうして本題へ展開していきました。

いろいろな問題に触れられましたが、
2点のみ御紹介します。
1:広島について語るときに、
ヒロシマ、ナガサキは世界で最初に原子爆弾の被害を受けた都市である
という表現をされる方がいる。
そうではなく、もっとポジティブに、
ヒロシマ、ナガサキは原子爆弾の被害を受けた最後の都市である、
(=核兵器は廃絶されたので今後二度と核兵器による被害は出ない)
と言えるようにならなければいけない、
というお話をされました。
核兵器廃絶は、私が社会的に活動できる10年以内の実現は無理だろうけれども
20年25年先には実現は可能である、と話されました。

2:若いうちに、人間的にすばらしい尊敬できる人に出会うことが大切だ
ということをお話されました。
大江健三郎さんは2人の名前を挙げられ
フランス文学者の渡辺一夫さん、
広島赤十字病院院長の重藤文夫さん に出会えたことで
その後の人生に大きな影響を受けた、とのことです。
28歳のときに重藤院長に出会い長時間のインタビューをおこなったそうです。

私は、若者に対して、信頼してもらえる・尊敬してもらえる生き方を
しているでしょうか。
もっとがんばらないといけないな、と思いました。

大江健三郎さんの 「ヒロシマ・ノート」
もう一度読み直しておかなければ、と思いました。
たぶん家の中で行方不明になっているので
近いうち書店で購入しましょう。

ツユマメさんオフ会の会場は 居酒屋むろか。
http://www.muroka.com/
さんまバーガー。
小さくてかわいいバーガーですが、確かに匂いはサンマ。
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★インフルエンザ情報
高齢者のインフルエンザワクチンの費用は
自治体が一部を負担してくれます。
このため高齢者の自己負担金は
広島市や廿日市市では1000円です。
高いな~、もっと安くすればいいのに、と思う方もいるでしょう。

でも、広島は、市ががんばっているほうなのです。
京都市では65歳以上の自己負担は1500円。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101002-00000036-kyt-l26

福岡市では1200円です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100930-00000232-mailo-l40

広島市長、がんばっています。応援しましょう!

ツユマメさん主催のオフ会

2010年10月3日

昨夜はツユマメさん主催のオフ会に参加してきました!
初対面の方が7名でしたが…泣いたり笑ったりしました。
在宅看取りについて日頃思っておられることをお尋ねしたり、
緩和ケアはヒトゴトではなくて、
自営業だからなおさら痛みを取って仕事の整理しなくては、
と話し合ったりしました。
子育ての話や同じ保育園に上の子と下の子が入れないことが多いとか、
産後育児不十分だと登校拒否になって悔やんでおられる先輩の話とか、
自営業だからこそ役員を引き受けるべきとか、
本当によくしゃべりました!
5時間余り!
それを送迎してくださる夫のみなさま、お疲れ様でした。
我が家では、初対面でよくそんなに話すことがあるねえ!
とほめてもらいました。
あ~~久々の楽しい時間をツユマメさんはじめみなさま、ありがとうございました!

写真はこのオフ会でのウーロン茶。
tuyumame.jpg
★新型インフルエンザ情報
三重県四日市で学年閉鎖
http://mainichi.jp/area/mie/news/20101001ddlk24040227000c.html

四日市ではA香港型が検出されているようです。

今年はA香港型と、新型2009A/H1の両方が流行すると思っています。
A香港のほうが症状は重いです。
基礎疾患のある人などは、ぜひワクチンを受けましょう。
(小児、妊婦、高齢者、心肺腎疾患、糖尿病、癌の人など)

インフルエンザワクチン接種開始

2010年10月2日

インフルエンザのワクチンですが、
いつ入荷するのか医薬品卸からの説明では
9月末時点では「未定」との回答でした。
ところが昨日午後に配送され届きましたので、
当院での接種、開始いたします。
高齢者等で公費負担のある方については10月15日から開始です。
とくに予約はしなくても今年は十分在庫数量はある見込みです。
昨年は、季節性ワクチンと新型ワクチンとが別々でしたが、
今年は季節性ワクチンの中で新型対応していますので
13歳以上については1回接種でよいです。
防腐剤のないワクチンが打ちたい(妊婦など)、
とか
鶏卵アレルギーがある、新型だけのワクチンを打ちたい、
などの特別な事情・特別な希望のある方は御相談ください。
予約制になりますが、取り寄せることができます。
(当院では高校生以上の方のみへの対応とさせていただきます。)

10月1日の14時に
厚生労働省ホームページにインフルエンザのワクチンについて
アップされています。
興味ある方は厚生労働省ホームページを御覧ください。

さて、各紙のニュース。
10月1日からワクチン接種開始
9月30日佐賀新聞
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1735156.article.html

各紙のいろいろな報道を読んでみると
佐賀県や熊本県などではワクチンは県内一律公定価格3600円、のようです。
広島市では、各医療機関の自由価格(3600円を超えない範囲)、となっています。
自由価格にする、という決定も、市町による価格設定と言えるものでしょうか?
自由価格のほうが、一律公定価格よりも安いです。

それと気になるのは
佐賀県でインフルエンザ患者が29日時点で17人出ている、とのこと。
新型インフルエンザ2009A/H1 だそうです。
大流行の前触れは九州からでしょうか?

そごうの北海道展
北海道展といえば そごうが有名ですね。
ステーキ弁当。肉が軟らかいです。
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インフルエンザ新薬2

2010年10月1日 ,
タバコ、本日から値上げです。
値上げ前に禁煙治療を開始された人がたくさんおられます。
次は
値上げ前に買いだめしたタバコがなくなるとき、
が 禁煙に踏み切る良い機会です。
買いだめタバコが残り数箱になったら
医療機関を受診して禁煙治療をはじめませんか?
(受診したその日から禁煙するわけではありません)

さてインフルエンザ新薬。
もう1種類のインフルエンザ新規治療薬は
ラピアクタ(R)、点滴です。

薬効はノイラミニダーゼ阻害薬であり
タミフル、リレンザ、イナビルと同じ、ということになります。

使用方法は、通常患者では300mg点滴1回。
重症患者では1日1回600mg、症状に応じ連日反復投与。
15分以上かけて点滴します。

***
腎臓排泄の薬剤ですので、腎機能の悪い人は減量。
高齢者も腎機能が悪いことが多いので注意。

胎盤移行性、乳汁移行性あり(ラット等のデータ)。

新生児、乳幼児、小児への安全性は確立していない。
***

以上から考えると
もし使用するとすれば一般成人(妊婦授乳婦をのぞく)ですが、
内服や吸入が可能な人は、そちらの薬が優先されるべきでしょう。
そうなると
・成人で内服・吸入の指示に従えない人
(=意識障害のある人、認知症のひどい人など)、
・重症で人工呼吸が開始されているような人
が対象となると考えます。
小児についても、入院を要する重症者のみが対象となりうるでしょう。
最後のとっておきの切りふだ、という位置づけになります。

一般の診療所、病院の外来受診で使用すべき状況になるとは思いません。

「1回ですむ点滴があるそうじゃないか、それを打ってくれ」
とは言わないようにお願いいたします。
(当院では、上記判断からラピアクタは常備しません。
不適切に薬剤を使用していると耐性ウィルスを作ってしまうことになりますので
せっかくの新薬剤の寿命が短くなります。)

点滴は最後の切り札、重症入院患者や集中治療室で使用するもの
と考えておいてください。

写真は ラピアクタ(R)適正使用文書の表紙。
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インフルエンザ新治療薬1

2010年09月30日 ,

インフルエンザの新規治療薬が出てきています。
当院では、スタッフなどの意思統一のためもあり勉強会をしています。

1日だけの吸入でよい、という薬がでました。
イナビル(R)。
これで、タミフル内服5日分、リレンザ吸入5日分 に匹敵する効果です。
長期間作用型の薬剤です。
純国産の治療薬(第一三共)であり、輸入品ではありません。
心情的には応援したい薬です。
10月中旬の発売となりました。
Yahooニュース 医療介護CBニュース 9月29日(水)22時39分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100929-00000016-cbn-soci

薬効としては、タミフル、リレンザと同じノイラミニダーゼ阻害薬です。
このため発病後48時間以内に使用することが大切です。

使用方法は
1個の吸入器に、薬剤トレイが2個あり、2回の吸入をおこないます。
10歳以上では吸入器2個、4回の吸入、
10歳未満では吸入器1個、2回の吸入をおこないます。
吸入は3歳児程度でも吸えるくらいの力で十分、とのことです。

メリットは、
何と言っても単回吸入でよいことです。
たとえば認知症気味の高齢者について、
目の前で吸入してもらえばよいのです。
リレンザ毎日ちゃんと吸入しているか、タミフル毎日ちゃんと内服しているか、
確認する必要がなくなります。

認知症がひどかったり、乳幼児だったりして
吸入の指示に従えない人はダメですね。

胎盤移行性、乳汁移行性はあるそうです(ラット等のデータ)。
授乳中であれば授乳は中止。
妊娠中であれば 「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与」
ということになります。

まあ、妊婦、授乳婦にはタミフルですね。
タミフルは安全とされています。
その前に妊婦授乳婦(その予定の人)は、ワクチンを受けておきましょう。

写真はイナビル(R)説明用パンフレット。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

ポリオワクチンに問題あります

2010年09月29日 ,

今週月曜日、ポリオワクチン接種に出務してきました。
会場は中区の吉島福祉センターでした。
ポリオは日時を決めての集団接種です。

小児のワクチンですので、
本来の担当は小児科医がおこなうのですが、
今や小児科医は「絶滅危惧種」と言われて人数が減っています。
小児科だけにワクチン事業をまかせたのでは、
小児科医師への負担が大きすぎます。

そこで、
内科等にもワクチン事業へのお手伝いの呼びかけがおこなわれています。
小生(緩和ケア医)は内科なんですが
感染症に詳しい医師ということで
地元での接種協力に手を挙げた、というわけです。
(私はJA広島総合病院のICT(感染症対策チーム)メンバー、
広島県の感染症対策委員会、結核審査会委員などつとめてきました。)
感染症に詳しいといっても
ポリオワクチンの接種事業は今回はじめてです。

ポリオについては
下痢していると効果がなくなる可能性があります。
そのほか、
現在なにか感染症にかかっていないか、
他のワクチンとの接種間隔、なども問題になります。
説明書をよくお読み下さい。
当日も、接種延期で小児科医を受診するように
という判定となった方が何人かおられました。

ところで
現在のポリオワクチンは、生ワクチンで
口の中にスポイトのようなものでポテッと入れます。
しかし、世界的にみれば生ワクチンを使用している先進国は日本くらいのもの。
他の国ではとっくの昔に不活化ワクチンに変更になっています。
生ワクチンだと、マヒを生じる方が出てしまうのです。

日本ではポリオの自然発生はありません。(ゼロと考えてよいです)
しかし、ポリオワクチンによりマヒとなる人は出ています。
ワクチン行政は世界標準から明らかに立ち後れているのです。

保護者のみなさんも問題意識を持ちましょう。
日本でも早く安全な不活化ワクチンを!
と声を上げるようにしてください。
声が大きくならないと日本の行政は変わってくれません。

たとえば以下のサイト。
【厚労省】不活化ポリオワクチンの開発を国内4社に要請
http://www.yakuji.co.jp/entry18816.html
ポリオの会
http://www5b.biglobe.ne.jp/~polio/vaccine.html

今週の花 ノウゼンカズラ、アメジストセージ
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

ハーバード白熱教室in東京大学

2010年09月28日

すでに御存知の方も多いとは思いますが、
ハーバード大学サンデル教授の 正義 の講義が大人気で、
NHKで放送されています。
先週26日(日曜日)には、東京大学で開催されたものが放映されました。

大学の授業なんて・・・と
(関係ないや、とか、難しくてわからないのでは、とか)
思っているとしたら 大間違い。

たとえば

原爆投下についてオバマ大統領は謝罪するべきか?

といった問いかけがおこなわれ、
参加者から活発な意見が飛び交います。
参加者は国籍、宗教などの異なる多様な人がいるのです。

自分ならどう答えるか?
今の意見にどう賛同するか、あるいは反論するか?
自分の考えを深めるきっかけを与えてくれます。

ハーバード白熱教室in東京大学
とても面白かったです。
きっと再放送もあると思いますので、ぜひ御覧ください。

番組ホームページは以下。
次回放送は10月3日(日)18時です。
http://www.nhk.or.jp/harvard/

写真はお好み村2階カープ ねぎ焼き。
そば入りお好み焼きを食べるほどの空腹ではないけれど
ちょっと食べたい、という時におすすめです。
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★インフルエンザ情報
長野県松本市で学年閉鎖
新型インフルエンザ2009A/H1 です。
Yahooニュース 毎日新聞 9月27日(月)12時4分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100927-00000105-mailo-l20

2009A/H1は流行するのが今回で2シーズン目ですので
ある程度の大規模流行をおこします。必ず。
今年もワクチンを受けましょう!

産学公連携フェア

2010年09月27日
緩和ケア薬剤師です。
市民ボランティアとして関わっている広島市科学技術市民カウンセラーの活動の一つとして
9月16日は「産学公連携フェア」
テーマ「医工連携・人間工学を応用したものづくり」
で、5つの大学の講演を聴いてきました。

1「うつ病マーカーとうつ病抑制物質」
県立広島大学生命環境学部生命科学科
2「脳機能の解明とその応用」
広島市立大学大学院情報科学研究科
3「加速度センサを用いたウェアラブル生態情報記録システム」
広島工業大学情報学部健康情報学科
4「次世代の自動車インパネ創出のためのヒューマン・マシン・インタフェース」
近畿大学工学部機械工学科
5「バイオマス由来プラスチック開発とその実用化」
広島大学産学・地域連携センター
どの話題も時間オーバーの盛りだくさんでした。
いずれも個人的に興味を持って調べたり、読んだりしていた内容です。

大変残念なことに、発表の表現が研究者目線、上から目線になってしまっています。
(えらそうな言い方で申し訳ありません。)
科学技術の最悪の使われ方をした都市の科学者の一人として私はいつも、
どうすれば市民にわかりやすく説明できるか、わかっていただけるか、と考えています。
いまや、大学といえども研究というものは、市民や企業に理解されないものはふるい落とされていく時代なのです。研究者が自分の好きな事だけをオタク的に追求していればいい、そんな時代は終わりを告げています。
科学技術はブラックボックスであるべきではなく、研究内容や方向性に一度は市民感覚というか主婦目線を求められたらよいのです(個人的な感想です)。
裁判でさえ、市民感覚が求められる時代です。
なんとか、この研究者の方々へ市民感覚、お伝えできないかなあ・・・サイエンスカフェにのせるのもかなり遠いなあ、と思いました。

今朝は、試供品でフェア会場で配布されていた「8020ヨーグルト」を食べました。
近日市販される予定です。

リレーフォーライフ1日目のあとは、
いつものようにお好み村2階カープでそば肉玉
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心に残る出会い15 脳梗塞のKさん

2010年09月26日

Kさんは76歳。
4年前に脳梗塞をおこし、半身麻痺と失明、言語障害の状態でした。
息子さん二人と同居し、訪問診療を受けていましたが
訪問診療してくださっていた医師が高齢で引退されることになったため
引き続きの訪問診療を当院に依頼がありました。

Kさんは、食べることが大好きだったそうです。
このため息子さんたちも
「口から食べさせる」ことに
強いこだわりを持って看病を続けてきていました。
たとえば、
流動の栄養食(処方箋で出せるもの)に食パンをまぜてパンがゆ状態とし
さらにいろいろ混ぜて毎食毎食工夫して食べてもらっていたのです。
味についても本人の食がもっともすすむものを工夫し
「イチゴ味が好き」というように
言葉による会話はなくても思いやりの心にあふれていました。

しかし、次第に拘縮もすすみ衰弱も進んできて、
飲み込みが難しくなってきたのです。
口の中に食物が残るようになり、誤嚥するようになってきました。
ある日、とうとう誤嚥性肺炎で入院してしまいました。

入院治療をおこない、肺炎がなおって食事を再開したところ
やっぱり誤嚥します。
そこで、胃ろうを作ってはどうか、という話が入院担当医から提案されました。

息子さんたちは、
口から食べるということにこだわりをもって
何年も看病をしてきました。
これからも口から食べてもらいたい。
でも、もう飲み込みが悪く、食べたら肺炎になる・・・。
当方に、息子さんそれぞれから何度も電話がありました。
胃ろうとは、どういう治療方法なのか、
二度と口から食べられないのだろうか、
どういうものを与えることになるのか、
入浴はどうなるのか、
これで肺炎はおこらなくなるのだろうか、などなど。

どうしてよいか、わからないのだ、と。

生きる、ということを優先するのであれば
誤嚥性肺炎を繰り返す場合には胃ろうのほうがよいでしょう。
肺炎をおこす可能性はかなり減らせるでしょう。
でも、可能性はゼロにはなりません。

本人が口から食べたい、という思いが強いのであれば、
そして御家族に、その希望に応えたい、という思いがあるのならば、
誤嚥性肺炎をおこして命取りになっても「仕方がない」、と家族が腹をくくれば
胃ろうなしでいく、という選択肢もあるでしょう。
胃ろうと平行して、少し口から食べるという選択肢もあるでしょう。
これは私のほうでどうこう強制する話ではなくて、
本人と御家族の希望、何をどうしてあげたいのか、というお話なんです。
こうお答えするしかありません。

結局、胃ろうを作成することになりました。
胃ろう状態で、また自宅での生活に戻りました。
口から食べる、ということは断念されたのでした。

また息子さんたちによる献身的な介護の日々が続きましたが、
ほどなく再度の誤嚥性肺炎をおこし
再入院先の病院で亡くなられました。
(口から食べなくても誤嚥性肺炎はおきるのです)
胃ろうを作ったほうがよかったのか、どうか、
答えを出すことはむずかしい、と思われたことでした。

写真は三越 北海道展の小樽 政寿司、海鮮丼。
札幌で学会があった時に、半日時間を作って小樽に行ったことがあります。
小樽は寿司が有名で、寿司屋さんが何軒も軒を連ねている場所もあります。
そこの1軒で ウニいくら丼 を食べたところ、本当においしかった。
北海道のウニは違う、と、感激しました。
その寿司店の名前は忘れたのですけどね。
そういう思い出話をしながら食べました。
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