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麻薬の正しい使い方

2010年03月7日

今週、中区の小学校で、
薬物乱用防止教室を 緩和ケア薬剤師の視点から
「麻薬の正しい使い方」という方向性で
たっぷり二時間分、お話ししました。

今年の6年生児童は
「自分のためだけではなく、おうちの人たちのためにも良く聴いて、帰ったらおうちの人にもお話ししてあげましょうね!」
と言ったら、
気持ちよく「はい!」と答えてくれて嬉しかったです。

小学生・中学生またその保護者は売人達の恰好のターゲットです。
狙われているという自覚すらありませんから。
また、地域では防犯・防火では協力しますが、
密売場所にならないように、住民みんなで防ごうという意識が
もっと必要だと思っています。
(中区青少年健全育成大会の特別講演でもこのお話はしました)

覚せい剤・大麻などは不法に売買されているのですが、
「どんな人がそういうことをするのでしょう?」
という質問をするために正門で待っていてくれた人たち、
こんな人がいてごめんね、と説明をしました。
小学生にどこまでくわしくわかりやすくお話しするか、
たんびに悩むところです。

15日には西区の中学校で薬物乱用防止教室をします。
私は広島県薬物専門講師でもありますので、
広島市内はもちろん広島県内どこでも無料でお話にお伺いできます。
お問い合せ下さい。

写真は薬剤師禁煙指導アドバイザーの認定証
勉強会・研修会もきちんと受講しています。
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★新型インフルエンザ情報
昨日、県から通知がきました。
在庫新型ワクチンについては、医療機関同士で譲渡することを認める、
というものです。
ただし、
・譲渡は事前に医療機関同士で相手を見つけること
・県に届け出ること
・県への届け出をもとに双方の医療機関に取引のある医療卸が現物を運搬するよう県が指示する
ということになっています。
直接やりとりしてよい、というものではありません。

どのロットがどういう経路でどこにいくら渡ったか、
というのは
副作用追跡のときに必要な情報になります。
それにしても面倒なやり方ですね~。

どこの医療機関でも在庫をかかえています。
譲り受けを希望するところは 全くないでしょう。
実効性のない、机上の通知です。
こうしてインフル関連の通知や書類のファイルが、
どんどん厚くなっていきます。

食事や水分でムセませんか?

本日は誤嚥のお話です。

本日のお勉強
誤嚥を少なくする食事についての助言
日本医師会雑誌 2009年12月号
国立国際医療センター戸山病院リハビリテーション科 藤谷順子先生
要点
サラサラの液体は誤嚥しやすい。
「水でも誤嚥する」のではなく、「水は誤嚥しやすい」。
増粘剤を導入するが、量は実験しておいたほうがよい。
誰が食事を用意するかを確認のうえ、用意しやすさを考えた指導が必要。
誤嚥予防のみならず十分に栄養摂取できているかという観点も重要。
口腔ケアの徹底により肺炎発症率は低下する。
禁煙等による肺の健康管理も食事指導と併行しておこなう必要がある。

嚥下機能の低下に対応した食事は、診療報酬の対象になっていません。
このため、本人あるいは家族に購入していただくことになります。
トロミをつけるための増粘剤などは広く知られるようになっています。

食事そのものについての指導、
食事姿勢についての指導
など、 合わせておこなうことが必要です。

私どもの担当している方が誤嚥して耳鼻科を受診、
今後は口から食べないように
という指導を受けて、
家族が大変困ってしまって急な相談を受けたことがあります。
すぐに胃瘻が必要なんでしょうか、栄養は・・・点滴は・・・、と。

この時は食事の指導、姿勢の指導をおこなって、
その後 誤嚥なく口から食べることができています。
そうそううまくいくケースばかりではないでしょうが。
やはり増粘剤は使用しています。
増粘剤は保険適用されるべき、と思います。

なお、当院に御相談くだされば
連携している栄養士による食事指導・栄養指導も可能です。
受診のうえ御相談ください。

お花を頂きました! バラ、フリージア
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★新型インフルエンザ情報
季節性インフルエンザとして、A香港型(H3N2)が国内でも出てきたそうです。
4ヶ月ぶりに確認された、とのことです。
3月5日19時16分配信 医療介護CBニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100305-00000007-cbn-soci

昨年、オーストラリアでのインフルエンザ流行で
A香港がインフルエンザ全体の約30%出ていました。
日本では、今のところ ほぼ全部が新型インフルエンザです。
今後のA香港の動向に注意が必要です。

麻疹(はしか)ワクチンを接種しましょう

2010年03月5日
麻疹は、死亡することもある感染症です。
このためワクチンは定期接種で、無料で受けられるようになっています。4回にわけて接種しますが、
第3期は中学1年相当の年齢、
第4期は高校3年相当の年齢の人が対象です。

当院は小児科はなく内科だけですので
麻疹ワクチンの対象は高校3年生のみです。
高校3年のみなさん、もう麻疹ワクチンは受けましたか?
無料で受けられるのは3月いっぱいまでですよ。
これを逃して4月になれば自費で1万円程度かかりますよ!

大学などでは、
入学に際して 麻疹ワクチンの接種証明書が必要
となっているところもあります。
4月になって(入学してから)あわてるのではなく、
3月のうちに接種を受けましょう。

記事は中国新聞3月2日
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201003020219.html

写真は 春限定商品 桜ひよこ
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★新型インフルエンザ情報
大阪府保険医協会が新型ワクチン在庫買い取りを厚生労働省に求める要望書
http://sonaeyou.com/topics/domestic/status/2010-03-02-115518.html

ワクチン予約者からのドタキャンが相次ぎ、
新型ワクチンは各医療機関であまっています。
返品不可、というのが当初からの厚生労働省の方針でした。
在庫は、そのままでは各医療機関で廃棄を待つだけになり、
その費用は医療機関の損金となります。

どうせ使わないのなら回収して第三国の支援にあてればよい、
ということでもありますし、
返品を認めて欲しい、という意見は 理解できます。

しかし、昨日のブログで触れたように、
広島県では、この各医療機関にある在庫を活用する方法で検討中です。

在庫の扱いをめぐり、大阪と広島ではずいぶん対応方法がちがうな、と
興味深いところではあります。

感染症2010

2010年03月4日 ,,

昨日、第46回広島地区呼吸器カンファレンスに出席しました。
広島市内の呼吸器内科医の集まる勉強会ですが、
もう46回になるという、たいへん歴史のある勉強会です。

症例検討は おやまクリニック 小山徹 先生、リウマチ肺の症例。
特別講演は 県立広島病院 院長 桑原正雄 先生、
「感染症2010」でした。

昨年から本年にかけての感染症トピックスは
何といっても新型インフルエンザです。
新型インフルエンザ、ノロウィルス、エイズ/HIVについての
最近の動きについて講演されました。

現在、広島県の感染症専門委員会では、
今回の新型インフルエンザについての総括をおこなっているそうで、
いくつかデータも出してお話されました。
(いくつか数字をメモはしてありますが、
ブログ等で公表してよいものかどうか わかりませんので
今はここまでの紹介にとどめます。
公表されれば、その時にあらためて御紹介しますね。)

また、今後の新型インフルエンザ対策についても
お話がありました。
4月頃に国あるいは県から 新型ワクチンについて
何らかの発表ができるように検討中だそうです。
もしかしたら県独自の動きになるかもしれません。
感染症の知識のある医師にとっては、
「それはナイスアイデアですね」 という内容です。
これも 正式発表があり次第、ブログで御紹介いたします。
しばらくお待ちください。

今週の花 ハクモクレン、ツバキ、スイセン。
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小児用肺炎球菌ワクチン発売

2010年03月3日 ,

ワイス株式会社は、7価肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー」を
2月24日から発売したと発表した。
プレベナーは、肺炎球菌による細菌性髄膜炎、菌血症などの侵襲性感染症を予防する国内初の小児用肺炎球菌結合型ワクチン。接種対象は、生後2カ月齢から9歳以下の小児。現在101の国・地域で承認されている。
http://www.wyeth.jp/news/2010/0223.asp

希望者は小児科にて御相談ください。

主要国に比べ、ワクチン行政は ほぼ10年遅れています。
ようやく認可されました。
しかも、ほとんどの国はワクチンは無料なんですよ。

日本でも本当はワクチンは無料になればいいのですが。
こども手当という現金を配るのではなく、
教科書、給食、ワクチンなどを無料化したほうがよいと思うんですけど。
(有料だとワクチンの接種率は上がりませんし、
給食費などを踏み倒すモンスターペアレント問題も解決されません)

クリスマスローズを頂きました。
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★新型インフルエンザ情報
とくに情報はありません。

介護保険へのパブリックコメント募集

2010年03月2日 ,

前回は介護保険手続きについて、でしたが
今回は介護保険全般へのパブリックコメント募集です。
2月24日から3月末まで。

2年後には医療保険と介護保険の同時改訂になります。
今回は政権交代後まもないので、制度そのものの大きな作り替えは時間的に無理でした。
2年後には、政権政党の意志が、反映される改訂になるものと思われます。
介護保険利用者の視点からの意見を ぜひお寄せ下さい。
今なら意見を聞いてもらえると思います。

http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p100219-1.html

おひなさま と ツバキ、スターチス、カスミソウ。
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★新型インフルエンザ情報
マスク、余っています。

現在、薬局やホームセンターでマスク大量に余っています。
とくにホームセンターでマスクは かなりの安売りがはじまっています。
1箱2箱ストックしておくのに 良いかもしれません。
立体マスクというのは花粉症にもいいですよ。

製造についても
白元は製造を2月で休止、
日本バイリーンは休日返上・24時間・3交代連続操業から
平日のみの交代なし・8時間勤務に変更したそうです。
Yahooニュース 3月1日8時15分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100228-00000011-fsi-bus_all

津波と釣り

昨日は、昼からずっと津波のニュースを見ていました。
釣りをする人間にとって、
地震 → 津波 という発想は命を守るために欠かせません。

釣りキチ三平 という釣りマンガで有名な矢口高雄氏が
『激濤 Magnitude 7.7』という、地震後の津波を題材にしたマンガを書いていて
当時 非常に衝撃を受けました。
地震のあとの津波に襲われて命を落とした釣り人と、助かった人と、
その運命を分けたものは何だったのか、を検証し、描いたものです。
もとの原作はノンフィクション作品だったと思います。
今は講談社漫画文庫におさめられていて、入手できるようです。上下巻です。
このマンガ、釣りをする人だけでなく
小学生などに広く読んでもらえたらよいな、と思っています。
マンガなら、きっと小学生でも津波の理解が容易でしょうから。
まだ読んだことがない、という方は、ぜひ一度お読みください。

それもあって 地震と津波のニュースは
これまでも興味をもって見ていました。
(院長は矢口高雄氏のファンで、初版第一刷の著者サイン本(エッセイ集)を
2冊も持っていたりします。
ミーハーですね。)

50年前のチリ大地震と今回とで違う点として、
今回も確かに津波により海面は高くなったが
被害が少ないのは波の直撃ではないからだ、と
テレビ解説の東京大学准教授の方が言っておられました。
(もちろん地震のエネルギーも前回より小さいですが)。
多くの港では、港の沖にコンクリートの一文字波止を作り
それで波風の直撃を弱められるようにしています。
一文字波止が津波被害防止に有効に働いたのは間違いない。
日本の土木技術の勝利、と言ってよいのでしょう。

沖の一文字波止ができると、
湾内での潮の流れは一変します。
釣り人は、釣れる状況で このことを体感することになります。
昔はこのポイントでよく××が釣れたんだけど今は全然ダメ、
ということは よくあります。
まあ、被害防止のことを思えば、たいした事ではありませんがね。

釣りに行きたくなってきました。
もうちょっと暖かくなったら メバル釣りにでも行きましょうかね。

もみじ作業所のクッキー。
紙屋町地下街 アストラム本通り駅の近くに「ふれ愛プラザ」があります。
「ふれ愛プラザ」では,障害者福祉施設において製作した,
心のこもったたくさんの手作り製品を販売しています。
ここを通る時には、いつももみじ作業所のクッキーを買っています。(^O^)/^
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★新型インフルエンザ情報
目新しい情報はありません。

心に残る出会い8 方言の強かったIさん

2010年02月28日

Iさんは78歳。
近隣県の漁師町で、かまぼこ工場に勤めていました。
体調が悪くなったので、広島の娘さん一家に同居することになりました。
そして精密検査を受けたところ、肺癌、しかも相当進行していました。

抗癌剤治療をおこなわず、在宅(娘さんの家)で生活することを選択されました。
そこから当院に診療の依頼です。
最初は外来通院できていたのですが、
みるみる衰弱がすすみ、外来通院が困難となり訪問診療となってきました。

Iさんは、漁師町育ちの人によくある「無口で口べた」の人でした。
ぼそぼそっと話されるのですが、これがまた方言が強い。
ふつうの方でしたら、会話を聞き取り理解するのがむつかしかったかもしれません。
何度も聞き返す必要がある場面もありそうなくらいでした。
ところが、
私(緩和ケア医)は魚釣りが趣味で、
これまであちこちの漁師さんとも おつきあいしてきました。
こういった漁師特有の話し方、方言など ほとんど苦になりません。
Iさんの言うこと、言いたいことが、よく理解できたのです。
このためIさんに、すっかり信頼していただけたのでした。

Iさんは結局最期まで入院を希望されず、在宅のままでお亡くなりになりました。

今思うと、
きっとIさんは 大きな病院の医師や看護師さんに
同じ事を何回も聞き返されたり言い直しさせられたりしていたんだろうなあ、
というように思います。
どうして自分の言うことをわかってくれないのかなあ、と
Iさんは そう思っていたかもしれません。

趣味(釣り)が役に立ったなあ、と
ちょっとうれしく、でもちょっと複雑な気持ち、を思い出します。

写真は並木通りの一番北のロータリー。
年末の広島ドリミネーションとは、ライトが変わりましたかね。
気のせいでしょうか。
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★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報はありません。

喘息とスポーツマン

2010年02月27日 ,

咳と痰がなおらない、という患者さんが来られました。
市販のカゼ薬ではなおらない、と。
今週フルマラソンに初挑戦するのだそうで、
それまでに治したい、とのことです。
いちばんしんどいピークはすぎたようだ、ということで
とりあえずは通常の治療で大丈夫、間に合うと判断しましたが
当日しんどいようなら無理せず、そこで棄権するように説明しました。

院長は呼吸器・アレルギーの専門医であり、
これまで 一線級ランナーの喘息治療を担当したこともあります。
市役所ちかくの某地元企業に所属するランナーでした。
現在でも某駅伝チーム(昨年の全国大会優勝)の選手の治療を担当しています。
選手と相談しながら、日程にあわせ体調がベストになるように
相当に知恵を絞りながらの治療になります。

治療をする時、
市民ランナーならあまり治療薬に気を配らなくてもいいのですが、
正規の大会に出場する一線級ランナーは
ひょっとしたらオリンピックや世界選手権に出る可能性も
まったくないとはいえず、
ドーピングに十分な配慮が必要となります。

日本で一般的によく使用されている標準的治療薬が
世界的にはまったく認められておらず使用認可薬リストに掲載されていない、
ということは 非常によくあります。
珍しくありません。
うっかり国内標準の治療薬を使用すれば、ドーピングで失格です。
ヘタすれば選手生命も絶たれますし、引退後の生活も変わってきます。
知らなかった、では済まされないのです。

院長が 世界標準の治療を常に意識しながら
患者の治療をおこなうようになったのは
その一線級アスリートの治療にかかわるようになってからです。
10年以上前のことになりますね。
(喘息の場合には、ヨーロッパに本社のある製薬会社の薬だと
大丈夫なものが多いようです。
日本の会社の製品は ほぼダメと考えた方がいいです。)

喘息があっても、アイススケートの清水宏保選手(今シーズンで引退)のように
オリンピックで金メダルをとることは出来るんです。
そのかわり
しっかりとした治療担当医と組まないといけません。

一線級アスリートを目指したい人は、
早い段階から専門医に御相談ください。
あと2日で治してください、なんて言わなくてすむように、ね。

写真は診察室の患者用イス。
冬の朝はイスも冷たいので、湯たんぽで座面を暖めています。
座ったときに 「冷やっ!!」 と ならないように。
暖かくなってきたので 湯たんぽの出番ももうすぐ終わりです。
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★新型インフルエンザ情報
<インフル治療薬>強毒鳥インフルに効果 初の純国産
Yahooニュース 2月26日20時25分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100226-00000101-mai-soci
現在開発中の国産薬が、H5N1にも効果ありそうだ、というニュースです。

H5N1由来の新型インフルエンザには
これまでタミフル・リレンザしか武器がなかったのですが、
先日 注射薬が販売となっており、
この薬が出てくれば武器が合計4種類になります。

とくに国産というのがメリットです。
本当に新型H5N1が流行した場合には、
薬の輸入はストップする可能性がかなり高いためです。

新型インフルエンザ対策・行動計画は、
この新薬を柱に組み立て直すほうがよいのではないか、と思います。
(まだ安全性の情報など、何も出てきていないのですけどね)

インフル、肥満者は重症化しやすい

2010年02月26日 ,,

昨日は 春一番が吹いたそうですね。
あたたかくなりました。
土手を歩いたり走ったりしている人も増え、
服装も春らしくなってきました。
私どもは、花粉と黄砂に注意が必要な時期がはじまります。
それが終わるまで、まだ長い時間を走ったりできないんです。

昨日、日赤病院で開催された
がん診療に関わる病診連携研修会に参加してきました。

講演:Revisit to Chest Radiography
-胸部X線写真の3次元的理解-
講師:広島大学放射線診断学 粟井和夫 教授

講演内容は文字で書くのはむずかしいので省略。
(画像についての話を文字にするのは 専門家相手でも大変なのです)

粟井先生は、われわれ呼吸器内科医が昔 びまん性肺疾患の勉強会をおこなっているときに
放射線科の専門医の立場から出席しコメントしてくださっていた先生で、
非常に的確なコメントをいただけるので ずいぶん勉強になりました。
50歳前(のはず)にして母校 広島大学の教授に、今月就任されました。

教授選挙で選ばれるには、実力のほかに運も必要です。
選挙のときに60歳近い人は おそらく選ばれないでしょう。
(教室を運営し、大学に貢献するには、在任期間は10年以上は欲しいところです)
ちょうど適齢のころに教授選挙があるかどうか、というのは運なのです。
運と実力を兼ね備えた粟井先生の活躍に期待しましょう。

参考になったのは、質疑応答でした。
Q:CTは年間で何回くらいまで撮影して大丈夫なのか?
A:男性であれば通常のCTは年間5回程度なら心配ない。
女性では乳腺の放射線被曝を考慮しないといけない。
50歳以上であれば男性と同様。
それ以下であれば年間3回程度にしておいたほうがよいのではないか。
また最近は心臓CTを撮影するようになってきているが
心臓CTは乳腺への被爆線量が非常に多い。
50歳以下の女性では心臓CT撮影しないように、と米国ではされている。

放射線被曝と発ガンの問題について、
心配される方もしばしば見受けます。
一般撮影であれば、ほぼ問題はありません。
我々は自然放射線を浴びているわけですし、
放射線ゼロの世界に住んでいるわけではありません。
許容線量については研究がすすんでいるのです。
宇宙飛行士の宇宙での被爆などについての研究もされています。
許容線量というのは、宇宙医学の大きなテーマの一つでもあります。

線量の多いのはCTや透視(胃透視や注腸検査)です。
そのCTでも年間数回なら大丈夫なのです。
放射線被曝について過度の心配は無用です。
とくに年齢の高い方については。

線量の問題については、後日あらためて取り上げますね。

今週の花 ユリ、フリージア、ツバキ
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★新型インフルエンザ情報
新型インフル、こどもと肥満者は重症化しやすい。
Yahooニュース 2月25日17時30分配信 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100225-00000703-reu-int
米疾病対策予防センター(CDC)の専門家によると、予備データでは、重症肥満者はそうでない人と比べて、入院したり死亡したりする割合が4倍と高かった。

ダイエットしましょう。
季節もよくなってきましたので、運動ですね、歩きましょう。

082-241-6836(代表)

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