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心に残る出会い56 胃がんのIさん

2014年04月27日  

【業務連絡】
常勤看護師を募集します。
認定看護師、専門看護師の資格を有する方に限ります。
メールでお問い合わせください。

さて、
毎月、最終日曜日は心に残る出会いです。

Iさんは70歳。夫と二人暮らしです。
3年前に胃癌が見つかりましたが、
スキルス胃癌ですでに根治は不可能な状態でした。
いろいろな抗がん剤治療を受けてきていましたが
癌のために腸閉塞をおこし
入院して人工肛門(ストーマ)を作成しました。
在宅に戻れる状態なのだけれども、
通院は不可能な状態なので訪問診療の依頼です。
病棟での退院前カンファレンスにて私たちのはじめての出会いです。

ストーマの処置を定期的におこなうのですが、
Iさんはこれが不安でした。
訪問看護が処置に毎回はいることになり一安心されました。
痛みやしびれの管理は当方がおこないます。
腸閉塞にならないよう、食事はいろいろ制限されており、
この食品は大丈夫か、これはどうか?
などいろいろ相談に応じます。

いずれは緩和ケア病棟に、という御希望で
診察および入院申し込みもおこなってありましたが、
じつはIさん、緩和ケア病棟にはあまり乗り気ではありませんでした。
緩和ケア病棟に入院したら、もう出られない、
二度と家に帰れなくなるのではないか、と
心配だったのです。
ですから、少々状態が悪くなったくらいでは
緩和ケア病棟に入院の連絡をしてほしい、とは言いません。
薬などいろいろ工夫しながら在宅生活が続きます。

ある日、激痛が生じました。
癌が尿管をふさいで、尿が出なくなり
腎臓がパンパンに腫れたのです。
手持ちの痛み止めでは効果がありません。
緊急入院して腎臓(尿管)に管を入れる処置がおこなわれ、
これでようやく痛みがおさまったのでした。
そのあとは緩和ケア病棟に転院となりましたが
自宅に帰ることなく10日後にIさんは亡くなられました。

Iさん、自宅で生活するのはこれがギリギリだったのかもしれませんね。
緩和ケア病棟から、もう一度家に帰れたら良かったのですけれどね。

【市民公開講演会のお知らせ】
『昭和生まれ世代の介護と家族』
~あなたは最晩年を誰に支えてもらいますか?
講師:臨床社会学者 春日キスヨ 先生

日時 :平成 26 年 6月 15 日(日) 14 時~16 時(開場 13 :30 )
場所 :広島アステールプラザ 中ホール
入場: 無料 申込先着500名さま
※要事前申し込み、往復はがきで1通3名まで
後援:広島市
申込先:在宅・施設医療ネットワーク広島
事務局 折口内科医院
730-0822広島市中区吉島東1-4-16
参加者全員の氏名
代表者の連絡先電話番号をご記入ください。
返信面には 宛先をご記入ください。
インターネットでの申込:
近日中に在宅・施設医療ネットワーク広島の
講演会情報としてアップします。
そちらから申込できるようにいたします。
http://zaitaku.origuchi-naika.jp/
***
ぜひご参加ください。
春日先生は現在 中国新聞 金曜日に
「夕映えのとき」連載中です。
家族介護の事例について、とても経験豊富な先生です。
会場では希望者には認知症スクリーニングテスト機を体験していただく予定です。

最近食べたお菓子
KIHACHIの詰め合わせをいただきました。
この写真だと中身がわからないですね・・・。
P1060954.JPG
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