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心に残る出会い54 悪性リンパ腫のNさん

2014年02月23日  

毎月最終日曜日は、心に残る出会いです。

Nさんは86歳。
2年前に意識障害をおこし、脳腫瘍と判明。
放射線治療を受けました。
その後は認知症の症状が出てきていました。
それからしばらくして、今度は上顎の悪性リンパ腫が出現してきました。
高齢で体力もなく、認知症も高度ですので、
手術も抗がん剤治療も放射線治療もできませんでした。

上あごに固まりができて、口を閉じることが出来ません。
急速に腫瘍が大きくなってくるため、もう家ですごせる時間は少ない。
腫瘍増大により、今後いろいろな問題点が出てくることが予想されました。
当方に在宅主治医の依頼があり、はじめての出会いです。

口の中に大きめのハンバーグほどの大きさの腫瘍があり
表面は破れ、出血がにじみ、まばらにかさぶたのような状態となっています。
悪臭もただよい、見た目は非常に苦痛がありそうに見えます。
しかし、
認知症があるためか、本人は苦痛は訴えず、
食事はおいしい、おいしいとしっかり食べています。
固い食品だと出血するので、御家族は柔らかく調理を工夫します。
口が閉じられないために口の端から食事がこぼれますが、
それはもう誰も気にしません。
在宅チームは腫瘍のケア、口腔ケアをしっかりおこないます。
食事の工夫など家族と在宅チームで相談しながらの毎日です。

Nさんはデイサービスに行くのが大好きでした。
デイサービスでは他の人の視線が気になるので
ずっとマスク姿ですごしていましたが、
デイに通うのも楽しみで、これまでと同じように通われていました。

在宅チームでの情報交換だけではなく、
病院主治医とも情報交換をしながらの在宅療養が続きます。
出血が止まらなくなったり、息苦しさが出てくれば入院して治療しましょう。
病院はいつでも受け入れを約束してくれていました。

ある日、嘔吐のあと高熱が出ました。
訪問看護師がかけつけると、酸素も低下し苦しそうです。
誤嚥し、肺炎をおこしたのです。
すぐに入院の手配がおわり、入院治療の開始です。
しかし、肺炎から敗血症をおこし、翌日に病院で亡くなられました。

Nさん、生きる力って、すごいですね。
いつもおいしい、おいしいって食べてくれて、
私達みんな うれしかったですよ。

今年もやっています、
ニシナヤ珈琲の「年代別割引」セール。
私は50代なので、なんと40%引き。
60/70代の方なら半額です。
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