若い人の肺癌
私どもは呼吸器専門医として、若年肺癌患者も何人も経験してきました。
未成年の肺癌患者さんもいました。
(未成年の肺癌は、国内では年1人報告があるかどうか、という患者数です。)
若いだけに本人はもとより、御家族も、我々も 非常につらいものがあります。
まして妊娠合併肺癌だとすると・・・。
本日のお勉強
帝王切開で出産後に急激な転帰を辿った妊娠合併肺癌の1例
日本呼吸器学会雑誌 2009年7月号
神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科 秦 明登 先生ほか
要点
妊娠33週で帝王切開にて出産後16日目に肺癌で死亡された。
イレッサ(R)や抗ガン剤点滴は効果がなかった。
妊娠合併肺癌はきわめて稀で、世界で35例である。
妊娠中は、どうしてもレントゲン検査は敬遠しがちです。
必要があればプロテクターを装着して撮影することになりますが、
できるだけ放射線検査は避けたい。
そうなると、咳痰などの症状があっても検査せず診断をおこないます。
また薬もできるだけ使用したくない。
薬は使わず様子をみましょう、あるいは 弱いお薬だけで様子をみましょう
というケースが どうしても増えてしまいます。
(妊娠中に使用しても あまり心配いらない薬もあります。)
妊娠可能年齢のみなさん、ふだんから体調管理をしっかりお願いしますね。
今回の論文の著者の先生も心配されていますが、
現在 若い女性の喫煙率は上昇傾向にあります。
このため、将来は妊娠合併肺癌症例が増える、と予想されています。
悲劇を繰り返したくないのです。
とくに若い女性のみなさん、タバコは絶対にダメですよ。
写真は、モーリーマロンズ。アイリッシュパブ。
盲導犬OKです。
http://www.mollymalones.jp/
★新型インフルエンザH1N1情報
新型インフルワクチンの接種優先順位について、国内でようやく議論がはじまった、というお話。
昨日会議があった、とのことです。
ようやくですね、他の先進国に比べるとずいぶん遅いです。
8月20日21時30分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090820-00000105-mai-soci
この議論のあと、方針を広報し、国民に理解を求めなければなりません。
ワクチン対象外となった人たちから不満の声が必ず出ます。
そこを、どう理解してもらうか、です。
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