心に残る出会い7 抗癌剤の副作用がしんどかったIさん
Iさんは食道癌と診断され、抗癌剤治療が開始になったのですが
抗癌剤副作用で体があまりにしんどいので治療を中断。
その後、病院を受診していませんでした。
しばらくの後、息苦しい、ということでその病院を受診されましたが、
癌が進行しており気管を圧迫して窒息寸前の状態になっていました。
それまでの間、Iさんが何をしていたか、というと
遠方の医療機関を転々とかわりながら温熱療法とか免疫療法などを受けていたそうです。
決まった主治医がいない、という状況が続いていたのでした。
とりあえず窒息回避のため緊急で気管ステント(気管を広げる金属の管のようなもの)を装着する処置を受け、
引き続き放射線治療を受け、退院となりました。
その時点で在宅担当医として当院にお話がありました。
ようやくにして病院主治医と在宅主治医が決まったわけですが、
すでに癌は相当進行しており、
気管にも血管にも癌が食い込んでいて
いつ急死してもおかしくない状況になっていたのでした。
退院してしばらくは良かったのですが、
今度は次第に食事がとれなくなりました。
お腹は空くのだけれど、食べるともどすのです。
癌のため、食道を食物が通過しなくなったのでした。
このため、胃瘻(いろう)という処置を受けることになり再度入院しました。
胃瘻というのは、胃に穴を空け、そこからチューブで栄養をおぎなう方法です。
「胃腸は大丈夫で意識のしっかりしている人」 には 有効な方法です。
予想される余命のきわめて短い人におこなう治療法ではありませんが、
Iさんは うまくいけば数ヶ月(持ってくれればいいな)ということで
胃瘻をおこなうことになったのです。
胃瘻を作ったあと、
退院のごあいさつ、ということで
当院に顔を出してくださったのが、最後となりました。
家に帰って、ほどなく急変されたのです。
主治医の決まっていない状況が長く続いていなければ
もう少し何とか手を尽くすことができたのではないかな、と
残念に思われたことでした。
抗癌剤による吐き気や食欲不振なども
緩和ケア医がお役に立てる分野です。
できるだけ早い段階で 癌治療医だけではなく
緩和ケア医にも (車の両輪のように)、
御相談をされるよう お願いいたします。
緩和ケア医は、癌の積極的治療中も、そのあとも、あなたと御家族を支えます。
ツバキ4種
★新型インフルエンザH1N1情報
沖縄では警報が継続中。
小中学生の大半が感染を終えてしまうと、
流行が下火になるのかどうか。
全国でも流行が早かった沖縄県の現状は、そうなっていません。
いまだに定点あたり20人以上が続いており、
しかも最新12月24日発表データでも わずかですが増加しつつあります。
http://www.pref.okinawa.jp/hukushihokenkikaku/files/influenza/influkeiho1224.pdf
いったんピークを過ぎたようにみえた後、
しばらくして再度増加し、
今度はダラダラと流行が継続し続けている、
という状況になっています。
となると患者は成人が主になっているのか、と思ってよく見ると
最初のピークと同じく5-9歳が最も多い状況がずっと続いています。
これは何ということなのでしょうか?
5-9歳が2回目の感染を起こしているのでしょうか?
広島県でも、そうなるのでしょうか?
詳しい解析が求められるところです。
コメントを残す