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教育崩壊の第二段階

2010年03月8日  

6日土曜日に、第1回中電病院連携医交流会 に出席してきました。
今の時代は病院と診療所が積極的に連携をしていかないと
お互いにうまくいかない時代になってきました。
中電病院の場合には、約200名が連携医として登録し、
今回 総勢90名での交流会となったものです。
なんだかんだ言っても、顔の見える交流 が やっぱり基本です。

その中で、P病院の院長先生のお話が、愕然とするものでした。
患者家族に、日本語が通じなくなってきている、というのです。
もちろん外国人や帰国子女といったものではありません。
普通に日本で生まれ生活している人に、日本語が通じない。

P病院というのは、療養型の病院です。
ちょっと前には「老人病院」といった呼び方をされていたタイプの病院です。
脳卒中や認知症などのため、自宅に帰れず施設にも入れない、という、
何らかの医療を必要としている人が入院している病院です。

病院として高度な診断や治療に対応できる設備や人員はありません。
患者が悪化すれば設備の整った一般病院(急性期病院)にお願いして
検査治療をおこなうことになります。
それでも助からない人は助かりません。
ところが、
こんな立派な建物の病院なのに、なんで××が××なんだ、
といった感じで
それぞれの病院の役割の違い、限界、国の定めた制度上の違い、
今後の最も適切と思われる医療方針と見込み、
亡くなられる可能性など
いくら説明してもわからない人、というのが増えてきたというのです。
プライバシーにかかわる話なので、具体的なところは話されませんでしたが、
文脈から推測されるのは上記のような話だと思われました。
インフォームドコンセントという言葉はキライです、と
話されたのが 印象的でした。
(インフォームドコンセントというのは、日本語では 説明と同意 とされます。
要するに、くわしく丁寧に説明し、患者・家族に理解していただいて
検査治療をおこないましょう、ということです。)
常識のない人にいくら説明しても、すれ違いになるだけです。

緩和ケア薬剤師が、美容院に行って聞いてきた話。
美容院にきて、どういうふうにしましょうか、と聞いてもあまり答えず、
できあがった段階で鏡をみて
これは私が思っていたのと違う、
と文句をいう若い客が増えた、とのことです。
思っていたことは言ってもらわなければわかるわけがない。
あとで文句言うのではなく、最初にちゃんと言え、と。
今の若い者は、いったいどんな教育を受けてきたのか、と
美容院業界は大変なことになってきているそうです。

十数年前から ゆとり教育ということで
教える時間は減り、教科書は薄くなり、内容も大きく減りました。
道徳の時間なども減ったはずです。
私どもに関連する分野では、たとえば子供の理科離れ、というような状況が出てきました。
しかし、理科ばかりではなく、
国語能力や一般常識といった面で
社会生活のいろいろな場面で非常に大きな問題が生じているようなのです。
ゆとり教育のほかに、携帯電話・メールの普及、ゲーム機の普及というのも
ほぼ同時におこっています。
これらのうち、なにが主な原因なのかは、わかりません。
しかし、このゆとり教育世代が大きな問題であることは間違いなさそうです。

この、ゆとり教育を受けた世代の子供が、
早ければ そろそろ小学校に入ってきはじめます。
日本語の通じない世代が、
子供達にどういう教育をしようというのか。
今回の改訂で教科書が厚くなり教える内容を増やす、ということのようですが
こういった世代の保護者がどう反応していくのか。
今でも学校はモンスターペアレントに振り回されています。
建設的な意見は何も言わず、すぐ文句をいう世代が
大挙してモンスター化するということは十分ありうる、と懸念されるのです。

ゆとり教育は失敗だった、と昔話で片づけることはできません。
ゆとり教育第二世代が入学することにより、
引き続きこれから教育崩壊の第二段階が始まる可能性があるのです。
ここで何とか踏みとどまって、上向きの教育変革にしないといけません。
いったん失敗した教育は、取り戻すのに30年はかかる、と
言われているそうです。
地域全体で学校を、子供達を守り育てないと 大変なことになるでしょう。

医療崩壊を食い止めるためにも、
遠回りのようではあるけれど 教育の充実、教育の立て直しが
結局は早道であるように考えます。

先週固いつぼみだったフリージアが、咲きました。
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★新型インフルエンザ情報
新しい情報はとくにありません。

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