心に残る出会い14 食道癌のAさん
カープ、連日大変な試合。
岩本選手の活躍がうれしいですね。
来季に向けて岩本の育成を、なんて書いて、失礼しました。
もう立派に実力でレギュラーを獲得しています。
いやあ~すばらしい。
やっぱり外人野手は不要ですね。
本日は心に残る出会い です。
Aさんは66歳。
山陰地区で一人暮らしとなっていましたが、食道癌と判明し
娘さん夫婦が暮らす広島で治療を受けることになりました。
手術や放射線治療を受けたものの再発。
しかも大動脈や気管に食い込む形での再発、
肺転移もともなう再発だったので
再手術や再照射はとうてい不可能と判断されました。
抗がん剤点滴の治療を受けていましたが、
吐き気や食欲不振がひどく、
病院の外来通院だけでは きめ細かい対応ができないため
当院に依頼がありました。
抗がん剤点滴による吐き気や食欲不振は、
点滴当日や翌日だけではなく
遅れて数日後にピークとなることがあります。
当日や翌日の吐き気には、今ではよい薬があるのですが、
遅れて出てくる症状は なかなかやっかいです。
ステロイドや漢方薬など、当方の知識と経験をフルに動員して
対応していきます。
食べられない時間が長いと、栄養状態も悪くなり
次の点滴治療に入れないということにもなります。
Aさんは、何とかして治療を続けたい、という希望がありました。
食べる、ということは非常に大切な問題だったのです。
癌の進行にともなって咳や痰もひどくなり、
痛みも次第に出てきました。
食物の通過も悪くなってきました。
麻薬を早めに開始したり、シロップ薬を工夫したり
流動の栄養食も併用したりして
何とか在宅で治療を続けていました。
一度は自宅(山陰)に帰りたい、という希望もあったため
体調の落ち着いている時期に早めに一度帰ることをおすすめしたのですが
なかなか家族のスケジュールが合わず、
延び延びとなってしまっていました。
そうしているうちに、ついに出血が始まりました。
最初はごく少量の血痰だったのですが、
次第にかなりの量の血痰となり、息苦しさも出てきたのです。
気管を食い破りはじめたのは間違いなさそうでした。
出血は目に見えるため、
本人や家族は非常に不安になります。
そうなると、在宅を継続するよりも入院のほうが安心だ、
という人も多いのです。
Aさんは入院することになりました。
入院すると止血剤の持続点滴などの治療を受けます。
絶対安静とされ、食事もストップとされました。
結局Aさんはそのまま一度も自宅に帰ることなく病院でお亡くなりになりました。
何とか一度は自宅に帰らせてあげたかったな、と思われることでした。
下松SA下り線で売っている ういろう。
ほうえい堂の岩国れんこんういろう です。
なかなか他では買えません。
★新型インフルエンザ情報
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