心に残る出会い111 家に帰せなかったKさん
毎月、最終日曜日は心に残る出会いです。
先週は体調不良のため1週間遅くなりまして 申し訳ございません。
Kさんは89歳。
直腸癌がみつかりましたが、高齢のため抗癌剤治療は不可能で
放射線治療のみがおこなわれました。
ほかの場所への転移や浸潤もおこしてきましたが、
もはや対症療法しか出来ません。
そのうちに、脳出血で入院、手術となったのですが
その原因は暴力(家庭内暴力)によるものであることが判明し
もう家には帰せない、という行政の判断になりました。
退院と同時に、施設に入所です。
新しい主治医を見つけなければいけない、ということで
当院に担当医の依頼があり、施設で私たちのはじめての出会いです。
Kさんの癌は次第に進行し、衰弱がすすみます。
食事量が減り、ムセるようになってきました。
常に軽い誤嚥性肺炎を繰り返すような状況となり
酸素吸入も手放せなくなりました。
痛みはうまくコントロール出来ており、痛みで苦しむことはありませんでした。
そうして、Kさんはそのまま施設でお亡くなりになりました。
Kさん、家に帰りたい、という発言は聞かれませんでしたね。
本当の気持ちは どうだったんでしょうかね?
家族内のトラブルで、自宅に帰れない・帰らせることが出来ない、
というケースは 時々あります。
虐待が疑われる時は 行政のほうで どうするのがよいか判断をしていくのです。
家に帰ってもらって 担当者が家に様子を見に行く、
御家族を支援していく、という場合もありますし
家族から引き離すほうがよい、という判断になる場合もあるのです。
高齢者、とくに認知症高齢者に対する虐待、というのも ときどきおこる問題です。
周囲の人からみて、あれっと思う状況があれば
ためらわず行政に連絡をするようにしてください。
第15回全国阿波藍染織作家協会展
旧日本銀行広島支店にて 12月2日までです
展示作品は撮影禁止になっているものがほとんどだったのですが
Facebook に 画像を上げている人もおりますね。
会場には行けないけれど気になる、という人は
キーワード検索してみれば。
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