「食べる」を支える
昨日は、吉島地区多職種連携会議に出席してきました。
第7回目となる今回は、
「食べる」を支える~病院と在宅をつなぐために~
がテーマです。
行政、医師会、歯科医師会、薬剤師会、地域包括支援センターはもちろん、
栄養士会、地域の入所施設からの参加もありました。
多職種、というのも具体的には
医師、歯科医師、薬剤師、看護師、保健師、管理栄養士、ケアマネージャ、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護士、さらには大学生まで。
エントリーは105名という、広島市でも最大規模の多職種連携会議です。
(実際には急病での当日キャンセルなどもありますが)
特筆すべきは
病院からの参加者も 毎回のようにあることです。
病院の内科勤務医の先生、病棟師長さん、連携室の方々、
そして病院の摂食嚥下障害認定看護師のみなさん、など
病院をあげて参加していただける時代になってきていることが
とてもうれしいことです。
誤嚥性肺炎で入院した場合に、
「今後も誤嚥しますから、口から食べるのは無理です」
と説明を受けている方もおられると思います。
禁食。
しかし、その判断が本当に正しいものかどうか、疑問です。
また、当初の数日間の絶食はよいとしても
その判断を永続的なものとすることも、疑問です。
「過度の禁食」
と呼ばれる状況です。
嚥下機能の評価、
飲み込む力を保つための運動、
舌の動きを補助する舌摂食補助床(歯科医師による作成)、
食べやすい食品、食形態の工夫。
そして
好きなものを食べさせてやりたい、多少の誤嚥は仕方ない、という本人・御家族の強い意志。
これがあれば
簡単に「食べるのは無理です」という結論になることにはなりません。
最近の病院には、栄養士や歯科医師なども参加している
栄養チーム(NSTチーム)、嚥下摂食チームなどが活動していることが多いです。
歯科医のいない病院では
外部からの訪問歯科診療を受け入れている病院も多いです。
まずは そうしたチームや歯科医師に相談してみるほうがよいでしょう。
簡単に「食べるのは無理です」という病院であるなら
そこは残念ながら時代の進歩に取り残された病院かもしれません。
ならば思い切って退院させて家に連れて帰るという方法もあります。
医師、歯科医師、理学療法士、栄養士などがチームを組んで
家でも食べられる工夫を考えますから。
家に帰ったら食べられるようになった、
そういう高齢者を私たちは何人も何人も経験してきております。
「家の持つ力」、と私たちは表現しています。
それは、病院にはない力です。
人生の残り時間が少ないとして、
絶食、点滴だけで この時期をすごすのと、
少しでもよいので 自分の欲しい物を口にすることが出来るのと、
どちらが人生の最後の段階で幸せなことでありましょうか?
ちょっと考えてみていただきたいことなのです。
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