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いい医者を連れてくる?

2010年05月18日  
宮古市? だか、東北のほうですが、
医師不足で病院がうまく回らない。
ニセ医者から連絡があったのを真に受けて
宿舎の改装や備品購入など200万円以上の出費をしてしまい
結局そのニセ医者は逮捕された、
というニュースがありました。

職員が働きやすい環境を整備する、ということは必要ですが、
それは大型液晶テレビやストーブなど家具類を用意することとは
全く次元が違うんですけどね。
そんな要求をする時点で ニセ医者ですよ。

気になったのは、地元民の声。
「(行政が)早くいい医者を見つけて連れてきて欲しい」。
病院待合室で、おばあさんが このように語っていました。

いい医者を連れてくる??
私がこのニュースでひっかかったのは この言葉です。

いい医者は、作られるのです、育てられるのです。
最初はみんな新人です。
大学を出たばかりで右も左もわからない、
知識も経験もない初心者医師なのです。
最初からいい医者として存在しているわけではありません。

では、いい医者を作るのは誰でしょう?
もちろん、本人ががんばること、指導医ががんばることは必要でしょう。
でも、
医療の主役は患者さんではありませんか?
そうでしょう?
医療の世界では、患者が医者を育てるのです。

研修医は研修医なりに、
中堅は中堅なりに、
上級医は上級医なりに、
育っていかねばなりませんが
患者さんを抜きにして、勝手に医師が育つわけではないのです。

いい医者を連れてきてくれ
ではなく、
ここに来たら、みんなでいい医者に育てますよ、だから来て下さい、
と言って欲しかった。
そうであるなら、その地区の医師不足は解決されていくでしょう。

たとえば、研修医に人気のある病院と、そうでない病院があります。
研修医はみんな、
「いい医者に育ててくれる環境」
の整っている病院を 研修先・赴任先に希望しているのです。
中堅も上級医も、同じことですよ。

今週の花 ジャーマンアイリス、バイカウツギ、アジサイ。
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