がん診療の地域連携
昨日は県立広島病院で開催された がん医療従事者研修会に参加しました。
タイトルは
「いよいよ始まる!パスを用いたがん診療の地域連携」
です。
患者およびがん拠点病院と、地域で患者を支える診療所・病院が
同じ理解で診療をすすめていくために
「地域連携パス」 というものを作って
それに従って診療していきましょう、というものです。
「パス」 とは、「クリニカル・パス」とも言いますが、
検査や受診などの診療の予定スケジュール、計画のことです。
たとえば
退院して1ヶ月後に血液検査しましょう、
退院2ヶ月後にはレントゲン撮りましょう、
退院3ヶ月後にはCT検査をしましょう、
退院4ヶ月目には・・・・、
といった感じの計画です。
まずは5つの主要な癌からのスタートです。
胃がん、乳癌、大腸癌、肝癌、肺癌。
乳癌では
広島ブログで over the rainbow を書かれている
角舎先生が説明をされました。
http://tkadoya.blog95.fc2.com/blog-entry-212.html
がん患者が、全員がん拠点病院で診療を受けなければいけない、
ということはありません。
経過がよければ精密検査は3ヶ月に1回でよかったりします。
その間、カゼひいてしまった、とか
便秘した、下痢した、ちょっと食欲が落ちて点滴希望、
なんていう時には
大病院に出向き何時間も順番を待つ必要はなく、
近所の医療機関で受診すればよいのです。
また、ある程度 経過良好であれば
血液検査程度のことであれば これも大病院で受ける必要はありません。
血液検査項目という情報さえ共有していれば
これも近所の医療機関で採血してもらえばよいのです。
そして、
近所の医療機関(=かかりつけ医)は、その情報
(診察した情報、血液検査データなど)を
がん拠点病院の担当医にお知らせすればよいのです。
もちろん
急な精密検査が必要な場合や、入院を要する場合には
いつでも担当医に連絡し手配してもらうことができます。
これが
がん診療の地域連携 と呼ばれるものです。
がん拠点病院のメリットは
・不要不急の外来患者が減れば、医師は患者さんにゆっくり時間をかけて診療ができる。
手術、検査、抗がん剤治療や、患者家族への説明に、腰をすえてじっくり取り組める。
・勤務医の過労死の防止につながる。
(外来患者が多すぎると、外来診療に追われ休憩もとれず昼食もとれないまま
午後の診療や手術、検査に入ることになり、終わるのは連日夜10時頃
というのが現在の大病院勤務医の姿です。
当直勤務の翌日は17時に終業できる環境を整えよう、という取り組みをはじめたところです。
これでも連続33時間勤務なんですけどね。)
患者さんのメリットは
・大病院と縁が切れるわけではない。
(担当医が検査や受診のスケジュールを指示しています。)
いつでも入院や精密検査ができるという安心感。
・病院を受診した時には、ていねいな時間をかけた説明を受けることができる。
・地域かかりつけ医は、担当医からの情報を共有しているので話が食い違うことがない。
ちょっとした診療なら近い・待ち時間が少ない地元で安心して受けられる。
・地域のかかりつけ医であれば往診や訪問診療に対応してもらえる。
(大病院の担当医は、往診に対応することは不可能です)
患者さんを、拠点病院だけでなく地域で支えますよ
という取り組みです。
ぜひ御理解ください。
二次会はDOING
http://bar-doing.com/
シャーリーテンプル。ノンアルコールです。
★インフルエンザ情報
インフルでの休校などは4校 というお話。
医療介護CBニュース 10月6日(水)21時41分配信
厚生労働省によると、インフルエンザの流行のために、9月26日-10月2日の週に新たに休校などの措置を取った学校数は4校だった。
内訳は、休校1校(熊本県)、学年閉鎖1校(三重県)、学級閉鎖2校(東京都、千葉県各1校)。
前週は学年閉鎖1校のみだった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101006-00000012-cbn-soci
学年閉鎖、学級閉鎖はボツボツ出ています。
休校、というのは なかなかありませんが
それだけ大きく流行している、ということでしょう。
ワクチン接種ははじまっています。
公費負担のある高齢者の接種は15日からです。
早めにワクチンを受けましょう。
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