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ひとりで家で死ねますか?

2014年02月24日  

昨日は広島大学サタケホールで開催された市民公開講演会に
参加してきました。
「上野千鶴子が聞く 小笠原先生 ひとりで家で死ねますか?」
の著者、
上野千鶴子先生と小笠原文雄先生による講演会でした。
私たちは平成24年度厚生労働省 在宅医療連携拠点事業に選ばれ
その活動の一環として市民公開講演会を開催しております。
昨年9月に上野千鶴子先生をお招きして公開講演会を開催しました。
東広島医師会も、私どもと同じく在宅医療連携拠点事業に選ばれています。
上野先生と小笠原先生とお二人をお招きする、ということは私たちの想定外、
この講演会を実現させた東広島医師会のみなさんの
努力と熱意に敬意を表します。
いやー、すばらしい講演会でした。

結論から申しますと
ひとり暮らし(身寄りなし)の方も
住み慣れた自宅で最期まで暮らし続けることは可能です。
ただし、それには条件があって、
1:24時間、往診・訪問診療に対応してくださる医師がいること
(最期の死亡診断書を書けるのは医師のみです)
2:地域に在宅療養を支える医療・介護・福祉の資源があること
(24時間対応してくれる訪問看護ステーション等があること)
3:ほんの少し、在宅療養に使えるお金があること
(最後の3か月くらいは、介護保険だけではサービスが足りないことがありえます)
です。

本日の講演会でお話されたコツ
・どの医師が麻薬の使い方が上手か、在宅看取りで評判がよいか、
というのは、公的機関に聞いても教えてもらえません。
たとえば
「往診してくださる医療機関」というのは、
地域包括支援センターに聞けば 医療機関リストは もらえます。
でも、
リストに載っている医療機関も、その質はピンキリ。
在宅療養シロウトに区別がつくはずもありません。
地域包括支援センターは、個々の医師の評価・評判は耳にしていても
公的機関ですから、どこかを重点的に紹介する、ということは出来ないのです。

・ケアマネージャに聞こうとしても、ほぼ同じことになります。
ケアマネージャも「公平の原則」があるのです。
そうでないと、自分の法人の訪問看護ステーションやヘルパーステーションばかりを
介護プランに組み込むことが許されることになってしまいます。
(みなし公務員の位置づけになっています。)

・では、どこに聞けばいいのか、というと
現場をよく知っているのは、訪問看護ステーションです。
どういう状況ならば、どの医師がいい、というのは
現場の訪問看護師が一番よくわかっていると思います。
あるいは
実際に家族を在宅で看取った経験のある方に聞く。
多くの医師を知っているわけではないでしょうが、
自分たちの経験をもとに自分の言葉で答えてくれるでしょう。

・もう一つは、医師に聞くこと。
そのためにも、ふだんから かかりつけ医を持っておくことです。
状況が悪くなって通院が困難になってきた場合に
かかりつけ医に往診・訪問診療を依頼できればベストです。
「先生、最期まで診てくれますか?」
長年の関係を保っていければ、本人・家族にとって安心です。
しかし
医療機関によっては往診対応していない所もあります。
もしそうであれば
「では往診・訪問診療してくれる医師を紹介してください」、
とお願いすればよいのです。

おひとりさまでも、家で死ぬことは出来ます。
まして夫婦二人なら、家で死ぬことはもう少し簡単です。
(残されたほうは おひとりさま になりますが。)
ほかの家族は、家で死にたいと希望する人にとって
味方になる場合と敵になる場合があります。
「私は、こういう風に生きたい。こういう風に死にたい。」と
ふだんから自分の希望をはっきり伝えておくことが必要ですよ。

東広島市 次郎丸 垰下牛しゃぶしゃぶ定食
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