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スーパードクターが医療を崩壊させる1

2010年04月4日  

先日、テレビで
スーパードクターを紹介する番組をやっていました。
年間数回は同じような番組があるようです。
とても困難な手術を成功させた、
新しい技術を開発して患者を救った・・・などなど。
なるほど結構なことですね、
と 思う人も多いことでしょう。

しかし、
私は違った主張をこれまでずっとしてきました。
医療の現場にブラックジャックは要らない、
スーパードクターは要らない、
大切なのは、チーム全員の実力を向上させることだ、と。

研修医にも、看護学校でも同じ主張で教育してきました。
(賛同が得られているかどうかは 確信がありませんが)

単純にいえば、
医療はチームでおこなうものでありチームワークが大切なのであって
スーパーエース、4番打者で主戦投手 だけを称賛するというのは
チーム編成、チーム育成にとってマイナスでしかない、
というのが これまでの私の主張(の入門編)です。
他にもいろんな点で 「ブラックジャックはイラナイ」 と
言い続けてきたのですが、
最近になり 同じ様な考えの医師も増えてきたようです。

「スーパー名医が医療を壊す」  村田 幸生 (著)
http://www.yomiuri.co.jp/book/paperback/20100121bk05.htm
まだ書評でしか読んだことはありませんが。
それを見るかぎり、問題点の認識は私と同じように感じられました。

人間は、皆いつか死にます。
現代の標準的な医療を受けても助からないことはあります。
医学の限界、というのは あるのです。
大学病院などは、その限界を越えていく方法を編み出すことが使命の一つです。

ところが
テレビで ××という疾患が某大学病院では助かるというのをやっていた、
○○という状態で手術を受けた患者が元気に復帰しているのをテレビでみた、
としたら どうでしょう。
見ている人には、
その病気、その手術は、治るもの助かるものだ、という
イメージが植え付けられると思います。
そうなると、
標準的医療で標準的な結果となった場合でも
手術がうまくいかなかった(助からなかった、後遺症が残った)のは
おかしいのではないか、
医療ミスではないのか、
他の医師だったなら他の病院だったなら・・・と
不満と後悔が残ることになります。

「現在の医療水準で標準的な結果となったことが不満」、
になるのです。
「標準的な結果だったら 仕方がない」、とは ならないのです。
標準的な病院、標準的な医師に担当してもらうことが
不幸なこと悔やまれることになるのです。

スーパードクターに診てもらえる人、手術してもらえる人は
いったい何人いるでしょうか?
そのスーパードクターは、生涯で何人を診ることができるでしょうか?
それ以外の全ての人が、
私たちは不幸だ不満だ、
という感想を持つのです。

標準的な医師、標準的な病院、標準的な医療の結果が
不平不満となる。
つまり、多くの国民が現在うけている医療、置かれている現状が
不平不満となる。
これって、国民全体にとって 不幸なことではないでしょうか。
スーパードクターを賛美する番組は
国民にとって不幸なだけの番組ではないでしょうか。

地味だけども
タバコをやめよう、検診を受けよう、ワクチンを受けよう、
標準的な診断方法はこうですよ、標準的な治療法はこうですよ、
という番組のほうが
よほど国民に役立ち、
マスコミにも求められているのではないでしょうか。

ジャムくん、老犬です。
餌を食べられなくなってきました。
体脂肪を使いきって、筋肉を消費しています。
肩甲骨も骨盤も簡単に触れることができるほどやせてきました。
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★新型インフルエンザ情報
【キブンの時代】第2部 危険はどこに(1)新型インフル「偏執病」
4月4日7時56分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100404-00000017-san-soci

問題点はどこにあるのか、どこにあったのか。
今後の我々の生き方、社会のありよう について考えさせられる
よくまとまった記事です。
少し長い記事なので、お時間のある時にどうぞ。

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