ホメオパシー日本学術会議が全否定
朝日新聞が精力的にホメオパシー報道を続けています。
25日には1面トップで報道しています。
asahi.com 2010年8月25日3時7分
http://www.asahi.com/national/update/0824/TKY201008240373.html
以下、一部引用***
民間療法「ホメオパシー」について、日本学術会議(会長=金沢一郎東大名誉教授)は24日、「科学的な根拠は明確に否定され、荒唐無稽(こうとうむけい)」とし、医療従事者が治療で使わないよう求める会長談話を発表した。山口市の女児ら死亡例が出たことを重視。通常医療から患者を遠ざける懸念があるとして、一般に広まる前に、医療現場から排除する必要があると判断した。
***
ホメオパシーは、
およそ200年前にドイツではじまった民間療法で、
おもにヨーロッパで広まりましたが、
効果のないことが実証されてきて、
2004年には本家本元のドイツで保険医療からはずされ、
2010年にはイギリス下院の委員会で保険医療からはずすよう勧告が出ています。
また2010年5月、英国医学会は 「ホメオパシーは魔術」 という宣言を出したそうです。
イギリスの情報はこちら(テレグラフ紙。英語です)
Homeopathy is witchcraft, say doctors
http://www.telegraph.co.uk/health/alternativemedicine/7728281/Homeopathy-is-witchcraft-say-doctors.html
どうして当時、ホメオパシーが人々に受け入れられたのか、
というのを考えるときに
当時の医療 というものを知ることが必要です。
当時の西洋では 瀉血(しゃけつ) が唯一といってよい医療手段で
医師は何でもかんでも瀉血をおこなっていました。
医師の治療の結果、悪くなって死亡する人もたくさんいたわけです。
むしろ医師の治療を受けない方がまし、という人が
当時はたくさんいたのです。
ホメオパシーで使用されるのは 「ただの砂糖玉」 であり、
「何もしないほうがまし」な人々には「有害でなかった」、ということになります。
このあたりの歴史的経過は
サイモン・シンほか著 代替医療のトリック 新潮社
に詳しく述べられています。
ニセ医学にひっかかって貴重な人生の貴重な時間・お金を無駄にしないよう
注意しましょう。
代替医療にはピンからキリまであります。
癌治療医よりも緩和ケア医のほうが代替医療について詳しいことが多いですので
代替医療については緩和ケア医に御相談ください。
写真は2009年に大阪大学で開催された
ニセ科学フォーラムの様子。
テーマは脳科学でした。
ニセ科学、ニセ医学の問題について私たちは日々勉強しています。
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