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原発事故でヨウ素服用しなかった理由

2011年10月27日  

当時の状況を検証したものが、ボツボツ出てきはじめています。

原発事故時、ヨウ素剤服用の助言900人に届かず
asahi.com  2011年10月26日3時0分
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201110250743.html
一部引用***
甲状腺被曝(ひばく)を抑える安定ヨウ素剤の服用について、東京電力福島第一原発の事故後、政府が原子力安全委員会の助言を生かせていなかった疑いが出ている。安全委の基準で服用が必要な住民は少なくとも900人いたが、自治体に指示は出されていなかった。政府の事故・検証委員会も経緯を調べる見込みだ。
引用終わり***

福島第一原発で爆発がおこり、
高い放射線を確認したという発表をテレビで見て
私たちは
「枝野長官、ヨウ素を飲め、と言え! すぐに!!」
とテレビに叫んでいました。
(3月13日の当ブログに書きました)。

原発事故があったらヨウ素剤をできるだけ早く服用すること、
これが続発する甲状腺がんを防ぐ唯一の手段であることを
放射線医学を勉強した医師なら誰でも知っているのです。
(いや、誰でも、というと言い過ぎかもしれません。
上関原発が出来て、いずれ事故をおこすだろうから
我々医師はどうすれば住民を守れるのか、
という視点で 災害医療(この場合は被ばく医療)を
勉強していた医師ならば知っていた、とは言えます。
それにはヨウ素を服用するしかなく、
東海村などには地域住民の数だけヨウ素剤が配布されていることを
我々は知っていました。
他の原発立地地区にも住民の数だけ配置してあるはずです。)

ヨウ素を服用すべき対象者が900人以上もいて、
ヨウ素を服用する助言が現場には届いていなかった、
というのですから言葉もありません。

ヨウ素剤は事故の直後に服用するのが効果的で、
時間がたってから服用したのでは防護効果はどんどん低くなります。
線量を測定したり被ばく状況を確認したりすることはせず
住民にとにかく早く一律に服用をさせるべきなのです。
そして、翌日も服用が必要な状況(高い放射線量)であれば
2回目の服用をさせるのではなく避難させる、
ということになります。
ヨウ素剤の服用が空振りに終わっても
(汚染が実はひどくなかった後で判明したとしても)
それはかまわない。
まずは迅速に対応することが大切なことなのです。

マニュアルは、詳しくすればするほど分厚くなります。
そうなると緊急時には読み切れません。
緊急時の対応はA4 1枚に書ききれる程度にしておいたほうが
確実な運用が出来るだろうと思います。

広島市は上関の東北方向にあたります。
基本的には西から東に向けて風が吹きます。
(西から天気が変わる、と言えば理解しやすいでしょうか。)
上関原発がドガンと言えば
広島には数時間以内に放射性物質が降ってきますよ。
自分や家族を守るにはどうすればいいでしょうか?
ヨウ素剤を自宅に備蓄する、のではなく
上関原発を作らせない、というのが根本的解決です。
クサイものは元から断たなきゃダメなんです。

福島県議会は全会一致で、福島県内の原発の廃炉を求める請願を採択しました。
J-CASTニュース 2011/10/21 11:49
福島県議会は10月20日の本会議で、東京電力福島第1、第2の全原発(10基)の廃炉を求める請願を全会一致で採択した。
http://www.j-cast.com/2011/10/21110707.html

10基もあって交付金だの雇用だのメリットを言う人もいるわけですが
それでも もう原発はイラナイ、という結論なのです。
それを、いまさら上関に原発を新設なんて。

今週の花 シュウメイギクのアップ画像
konsyu syumeigiku.jpg
★インフルエンザ情報
第42週(10月17日~23日)の集計が発表されました。
広島市ではA型1名、B型1名が出ています。
安芸高田市の中学校学年閉鎖ではA型が検出されています。
うがい手洗いに気をつけましょう。
未確認情報ですが、翌日には同地区の小学校で学級閉鎖が
出ているそうです。
流行がはじまると広がるのは早いです。

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