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呼吸器疾患とB型肝炎

2013年04月8日 , 

カープ、マエケンはやっぱり頼りになりますね。
今年も15勝近くは期待できるのではないでしょうか。

花粉症、黄砂、PM2.5ですが
それぞれ症状が違うようです。
私は花粉症でくしゃみ鼻水、黄砂で息苦しさと熱感が出ます。
熱はないのだが、熱があるかのようにしんどくなるのです。
緩和ケア薬剤師は症状が目に来ます。
花粉では目のかゆみ、
これに対しPM2.5は目が痛くなります。
明らかに症状に違いがあるようです。
花粉情報、黄砂情報だけでは予測しきれないので大変ですね。
10日には広範囲で黄砂が襲来予報です。
ご注意ください。

本日のお勉強は呼吸器疾患とB型肝炎について

春らしい和菓子 桜餅
桜は雨と風でだいぶ散りましたね。
P1010606.JPG
★新型インフルエンザ情報
中国のH7N9患者は少し増えているようですが、
とくに目新しい動きではありません。

本日のお勉強
特発性間質性肺炎に対しステロイドおよび免疫抑制剤投与中に発症した de novo B型肝炎の1例
日本呼吸器学会誌 2012年11月号
国立病院機構茨城東病院呼吸器内科 田中 徹 先生ほか
要点
線維性非特異性間質性肺炎の患者。
ステロイドパルス療法に引き続きプレドニンおよびシクロスポリン治療をおこなった。
治療前にはB型肝炎は認められなかった。
治療開始後3ヶ月で肝機能異常が出現し、B型肝炎抗原が陽転していた。
肝炎は治療抵抗性であり劇症化して死亡された。
de novo B型肝炎は血液悪性腫瘍やリウマチ膠原病では知られているが、今後は呼吸器疾患の治療においても注意すべきである。
***

入院したら、B型肝炎などがあるかどうか検査します。
そこで陰性であれば、「この人にはB型肝炎はない」と判断するか、
もしくは「昔はあったようだが今は治癒している」という場合もあります。
各種の抗原と抗体の組み合わせで判断していきます。
ところが
抗がん剤や免疫抑制剤を使用し、免疫力が低下すると、
治っていたはず、消えていたはずのB型肝炎がぶりかえすこともあることが
知られてきました。
これはde novo B型肝炎と呼ばれています。
(私たちは B型肝炎の再活性化、と習ってきました)。
強烈な免疫抑制治療をおこなう血液悪性疾患や臓器移植分野でよく知られ、
たとえば
悪性リンパ腫のリツキシマブ+ステロイド併用化学療法施行時に
12.2~23.8%の高い肝炎発生率を有し、
肝炎発生例の27%が劇症化し、
劇症化すれば死亡率100%ときわめて予後不良である、とされています。
厚生労働省のB型肝炎再活性化対策ガイドラインも作成されています。

呼吸器疾患でもステロイドパルス療法、免疫抑制剤を使用する場合もあり
間質性肺炎がその代表疾患です。
今後は呼吸器疾患でも注意を払っていく必要がありそうです。
そうなると、間質性肺炎の治療は
開業医で出来る治療とは言えなくなってくるかもしれません。
いったん基幹病院で治療をおこない、
安定例のみ病診連携のもとで開業医で日常管理する、
ということになりそうです。

なお、
ついでに述べておきますが、
喘息のステロイド吸入、花粉症のステロイド点鼻くらいでは
このB型肝炎再活性化はおこりませんので
その点は心配なさらなくて大丈夫です。
ステロイドの使用量が全然違うのです、3ケタ4ケタ違いますので。

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