心にのこる出会い172 施設を退去となったTさん
カープ、
打撃戦を制して、よかったですね。
打棒が湿っているのは 菊池選手です。
休みの日を入れながら、ですかねー。
今日は九里投手です、応援しましょう!
さて、毎月 最終日曜日は 心にのこる出会いです。
Tさんは64歳。
数年前に脳幹部の脳梗塞をおこし、半身麻痺となっておりました。
嚥下障害や ろれつが回りにくいなどの症状も残ります。
自宅での一人暮らしが続いていました。
しびれが悪化した、歩きづらい、頭痛、息苦しいなどの訴えで
繰り返し繰り返し 入院していた脳外科病院や 近所の内科(脳神経内科)を受診するものの、
いずれも特に新しい病状悪化ではなく、追加の薬なしで帰宅することを繰り返しておりました。
あまりに繰り返すので 一人暮らしはもう無理であろう、ということになり
高齢者集合住宅に入居となりました。
そこで私たちのはじめての出会いです。
私たちに対しても、訴えは非常に多く、
毎回 いろいろな症状を訴えられて、一貫性はありません。
しかも
しびれが悪化した、
歩けなくなった、
などの訴えで 昼夜かまわず職員が呼ばれることが 多くなってきました。
それだけではなく、自分で救急車を呼んで 脳外科病院に搬送される、
といったことも 繰り返されるようになってきました。
もちろん入院するような病変は認めず、そのまま帰ってきます。
職員が観察していたところ、
誰かがいると「動けない」と全介助を要求し、
誰もいない時には 室内を「自分で歩いています」、という状況でした。
この状況では、職員のがまんも限界です。
これ以上 入居を続けることは出来ません。
退所となり、介護保険施設に 入所されていきました。
その後は 私たちの関与はありません。
その半年後。
ケアマネージャさんから、誤嚥性肺炎でお亡くなりになりました、という連絡が入ったそうです。
【解説】
脳梗塞では 認知症(血管性認知症)になることがあります。
また、梗塞部位によっては 高次脳機能障害が残ることもあります。
脳梗塞というのは 四肢の麻痺 だけが問題になるのではなくて、
「困った行動」を おこしていく場合も けっこうあるのです。
Tさんのように しばしば自分で救急車を呼ぶ、なんていう方も いないわけではありません。
極端な場合には、「入院している病室から 救急車を呼んだ」という方も おられました。
認知症がひどければ スマホを預かる、ということも
御家族の同意があれば 出来るのかもしれませんが、
家族がいない状況では それも出来ません。
入居された介護施設でも、かなり困ったことでしょう。
誤嚥性肺炎で亡くなられた、ということですので、
おそらく 抗精神病薬が処方されたのではないか、と思います。
その薬では 興奮性や問題行動は減ると思いますが、
転倒しやすい・誤嚥しやすい、という副作用も知られています。
施設側としても やむをえなかったのだろうな、と 入所された施設に同情したことでした。
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一福のそばを 並んだりせず 食べられます。
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