心にのこる出会い174 御近所だったOさん
カープですが。
3安打で勝利というのも すばらしいですね。
大瀬良投手に勝ちをつけてあげたかったです。
今日は玉村投手です、応援しましょう!
さて、
毎月最終日曜日は 心にのこる出会いです。
Oさんは94歳。
もともと御近所にお住まいの方で、
ときどき御自宅の前で スズメにエサ(お米)を撒いている姿を お見かけすることはありました。
夫を亡くされてからは一人暮らしでしたが、
認知症が出てきて、
脱水や熱中症での入院を繰り返すようになってきました。
これ以上は家での独居は無理だ、ということになり、
グループホームに入所されたのでした。
そのグループホームにて、私たちのはじめての出会い、のはずなんですが、
あれ、この方、知ってる。
いつも訪問診療で通る道の、 あそこで いつもスズメに米を撒いていた方だ。
まあ、Oさんにしてみれば
はじめて見るお医者さん、であったことでしょう。
道ですれちがった程度の我々のことは 覚えてはいないですね。
グループホームなど介護系施設のメリットは
なんといっても食事や薬などの管理が出来ることです。
また、冷暖房管理、入浴や着替えなど 気持ちよくすごすことも出来ます。
脱水や熱中症の心配は ほぼいらなくなるのです。
そうしてOさんは入院とは無縁な平穏な日常がすごせるようになりました。
しかし、
Oさんには 数年前に 乳癌が判明しておりました。
本人と御家族で治療について相談されて、
超高齢・認知症のため 積極的な治療はおこなわず、
様子をみるだけ、と なっておりました。
乳癌は次第に大きくなっていきます。
リンパ節転移も 大きくなっていきます。
癌の進行は 早い人も ゆっくりな人もいます。
Oさんの乳癌は わりと進行は早いものでした。
「(乳房に)触ると痛い」という症状もではじめ、
医療用麻薬の出番です。
認知症の方ですので、自分の症状を きちんと言葉にすることは 出来ません。
顔をしかめる、とか 声を出す、とか
いろいろなサインを見逃さないように 対応をしていきます。
そうしているうちに 次第に食事量が減っていき、
Oさんは グループホームで 静かに永眠されました。
Oさん、いつもスズメに米をまいていましたが、
1日に何回くらい まいていたんでしょうね?
スズメがいつも 何十羽も 集まっていましたね。
【解説】
認知症になると、服薬の管理が出来なくなったり、
食事や適切な水分補給も むずかしくなったりします。
エアコンなど冷暖房の使用も 出来なくなったりする方も多いです。
その結果、脱水や熱中症で入院を繰り返す方も たくさんおられます。
「ときどき入院、ほぼ在宅」
という表現もあるくらいですので、 まあそれでもよいのですが。
熱中症は命にかかわりますので 救急搬送になります。
命にかかわる状況、救急入院を あまり繰り返すようなら
施設入所のほうが本人が安楽にすごせる場合もあります。
「住み慣れた場所で最期まで」
は もちろん可能ではありますが、
自宅と施設と どちらがよいか、というのは それぞれの状況によっても 違います。
もちろん、施設でも自宅でも 緩和ケアは受けることが可能です。
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【業務連絡】医師募集。内科・外科・総合診療科・緩和ケア科に限りません。
新型コロナ対応をきっかけに
「医療の在り方」、「医療の目指すべきもの」について
考えを深めた方・考えを改めた方も多いと思います。
もし
「今は東京や大阪(等)で働いているが、地元広島に帰って働きたい」
とか
「病院勤務医よりも もっと患者に寄り添いたい」
「今の病院の勤務形態では 体を壊してしまうのではないか」
「これだけがんばって働いているのに、むくわれないというのは、病院というのはおかしいのではないか」
など考えはじめた医師の方は どうぞ当院に御連絡ください。
「給料よりも 生きがい・働きがい」を求めている方、よろしくお願いいたします。
(「給料優先」という方は、イナカの病院なら「過疎地手当」が上乗せされますし、
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ただし、高給優遇で求人するということは、キツい職場、あるいは やりがいは少ない職場だ(やり手がいない)という覚悟は必要です。)
広島はコンパクトな街で、衣食住、そして働くにも子育てにも いい所だと太鼓判押せますよ。
当ブログを御覧になり、院長の理念に賛同された方、どうぞ御連絡よろしくお願い申し上げます。
在宅診療は楽しいですし、在宅緩和ケアは やりがいありますよ!
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