心にのこる出会い181 コロナで急逝されたSさん
昨日の中区、基本的には暖かかったですが、風が強かったですね。
日がかげると 寒い。
太陽って、ありがたいですね!
さて、
毎月 最終日曜日は 心にのこる出会いです。
Sさんは86歳。
高血圧や アルツハイマー型認知症がありました。
夫婦二人暮らしだったのですが、夫は入院してしまい、退院できる見込みがありません。
Sさんには、ほかに家族はおりません。
自宅生活が困難となったSさんは 老人ホームに入所となったのでした。
ホームに入所されて 私たちのはじめての出会いです。
Sさんは 顎関節の脱臼を日常的に繰り返しておりました。
いわゆる「あごが はずれる」というやつです。
顎がはずれると 食事が難しいだろう、ということで
当方か、あるいは歯科医の往診にて 脱臼の整復がおこなわれました。
でも 1日2回も あごがはずれてしまうこともあって。
脱臼・整復の繰り返しで、きりがありません。
Sさんは 顎がはずれた状態でも 流動食なら 飲み込める。
それなら、ということで
嚥下が可能ならば 緊急往診での脱臼整復はしない、ということになりました。
将来、飲み込みが悪くなったら どうしましょう?
栄養補給など どうしますか? どうしたいですか?
いくつかの選択肢を用意して Sさんと相談しました。
Sさんの希望は、点滴しない、胃瘻しない。
延命治療は希望しない、最期まで施設で自然に。
あるとき、Sさんに高熱が出て、酸素飽和度が低下しました。
息苦しくて、酸素吸入が必要です。
調べると 新型コロナ陽性です。
Sさんと相談し、今回だけは病院に入院し治療をおこなってもらうこととなりました。
コロナの隔離期間があけたら また帰ってくればいいから。
ところが、Sさんは入院3日目に お亡くなりになったのでした。
病院からの報告書では、肝機能や腎機能など 急激に低下していったのでした。
コロナは全身疾患だ、ということを 改めて突きつけられる検査データでした。
Sさん、帰ってこられなくて、残念でしたね。
ワクチンもちゃんと受けていたんですけどねえ。
【解説】
持病のある高齢者にとって、コロナは命取りになる疾患です。
たんなるカゼではありません。
Sさんのホームでは、これまで何度か集団感染もあったのですが、
なんとか みんなで 乗り切っていました。
コロナ肺炎は、点滴などで 治療が必要です。
うまくいけば 数日後には従前の生活に復帰できますので、
はなから あきらめてしまう疾患でもありません。
状態が悪化した方は 手厚く介護、ということになるのですが
老人ホームでは コロナ感染者に そこまで手厚く介護することも 難しい。
Sさんの「最期まで施設で」は かないませんでしたが、
コロナ肺炎じゃあ しかたなかったよねえ・・・、というところです。
たかの橋 ふれねる の 続き。
今回は酒瓶ラベルの写真はとっていません。
かつお の なめろう。 ふれねるさんでは、珍しい物が 時々 メニューに載ります。即 注文。
でびら。 でびらが食べられるお店も 珍しい。
しょうゆが勝ちすぎていたので、次回はしょうゆは別皿で、と注文したいと思います。
20時半頃には ちとガラガラだったのですが、
21時すぎには ほぼ満席に。
遅い時間から満席になるお店です、すごいなあ。
昨年1月17日、私どもの本が出ました。
紀伊国屋WEB
在宅緩和ケア医が出会った「最期は自宅で」30の逝き方 – 光文社新書
髙橋浩一
価格 ¥924(本体¥840)
光文社(2024/01/17発売) 電子書籍もあります
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784334101992
公民館、集会所などでの講演など、お引き受けいたします。
日程次第です、御相談ください。
10名程度の少人数の集会でも大丈夫ですよ。
【業務連絡】医師募集。内科・外科・総合診療科・緩和ケア科に限りません。
新型コロナ対応をきっかけに
「医療の在り方」、「医療の目指すべきもの」について
考えを深めた方・考えを改めた方も多いと思います。
もし
「今は東京や大阪(等)で働いているが、地元広島に帰って働きたい」
とか
「病院勤務医よりも もっと患者に寄り添いたい」
「今の病院の勤務形態では 体を壊してしまうのではないか」
「これだけがんばって働いているのに、むくわれないというのは、病院というのはおかしいのではないか」
など考えはじめた医師の方は どうぞ当院に御連絡ください。
「給料よりも 生きがい・働きがい」を求めている方、よろしくお願いいたします。
(「給料優先」という方は、イナカの病院なら「過疎地手当」が上乗せされますし、
医師求人サイトで探されると「高給優遇」のところは見つかると思います。
ただし、高給優遇で求人するということは、キツい職場、あるいは やりがいは少ない職場だ(やり手がいない)という覚悟は必要です。)
広島はコンパクトな街で、衣食住、そして働くにも子育てにも いい所だと太鼓判押せますよ。
当ブログを御覧になり、院長の理念に賛同された方、どうぞ御連絡よろしくお願い申し上げます。
在宅診療は楽しいですし、在宅緩和ケアは やりがいありますよ!
【おまけ】
当院には釣り部も出来ました。
カープ、サンフレファンの医師のかた、
および 釣り好きな医師の方、
当院に就職すれば いいことありますよ。
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