心にのこる出会い192 精神科に入院したMさん
気温が上がらず、寒かったですね。
往診・訪問診療のときは 6℃でした。
昼からは日が当たって 往診車内では まあまあすごせました。
朝は寒い日が続きます、用心しましょう。
当院の年末年始のお知らせです。
外来診療はお休みにはいりました。
1月5日(月)から 通常通り診療します。
本日は日曜当番医をご利用ください。
さて、毎月 最終日曜日は 心にのこる出会いです。
Mさんは80歳。
大腸癌がみつかり、手術となったのですが、
術前の精密検査で 肺癌も見つかりました。
大腸癌に引き続き、肺癌も手術です。
手術したところ、胸膜(肺を包んでいる膜)への浸潤もあり、今後の転移について細心の注意が必要な状況でした。
しかしMさんは 術後の抗癌剤治療をことわってしまいました。
2つの大きな手術が立て続けにあったので、抗癌剤を拒否する気持ちも よくわかります。
手術後 1ヶ月をすぎた段階で、食欲不振にて 当院の外来を受診されました。
そこで私たちのはじめての出会いです。
「在宅緩和ケア」を求めて来院したわけではなくて、普通に 内科の外来受診でした。
術後に食事がすすまない、という方も もちろん緩和ケアの対象です。
私たちは 食欲改善、栄養状態改善をめざして いろいろ試みましたが、
薬剤で下痢したり、肝機能障害をおこしたりして、なかなか有効な手がみつからない状況となっておりました。
そうこうするうちに、ひどい腹痛をおこし、
手術先の病院に救急受診されました。
しかし、転移や再発は見つからず、痛みの原因ははっきりしません。
痛みが長引くため、病院の緩和ケアチームの診察も受けたのですが、やはり特別な薬は処方されませんでした。
その数ヶ月後。
外科の再診のさいに、Mさんの様子が明らかにおかしい、と
精神科紹介になったのでした。
入院して、全身管理と精神科の治療が続きます。
いったん退院できたMさんなのですが、
高層マンションのベランダから体を乗り出したり、明らかに危険で異常な行動がみられ、
こんどは精神科の専門病院に入院となったのでした。
しかし、うまく嚥下できない、食べられない状況になってしまいます。
中心静脈栄養などがおこなわれたのですが、
回復することなく、病院で永眠されたのでした。
【解説】
癌の方が 言動に異常をおこすこと、というのは 珍しくはありません。
多くは 「せん妄」と呼ばれる状況で、
意識がはっきりしなくなった状態(天気でいうと「晴れ」ではなく「曇り」)で
いろいろ変な言動をおこなうというものです。
せん妄は、体調が悪い場合(例:発熱、便秘、脱水など)に生じやすいですし、
薬剤によっても 起こりやすいものがあります(例:医療用麻薬(=オピオイド)、胃薬の一部、など)。
環境が変わった時にも 生じやすい(例:入院した)。
まずは可能性のある薬剤を減量・中止し、 体調をととのえる治療をおこなうことになります。
環境が変わった場合には、できるだけ早く 元の環境に戻してあげるのがよいです(=今日明日にでも早く退院するのがよい)。
せん妄のときの言動は 本人は全く覚えていない、というのが ふつうです。
癌に関連する身体事象としては 電解質異常とか、何らかのホルモン様物質を癌が産生しているときにも 精神的異常が出てくることがあります。
それ以外でも
・認知症が進行する方。
・もともとあった統合失調症が前面に出てくる方。
・もともと性格など問題があった方(=パーソナリティ障害)が前面に出てくる方。
・ストレスに弱い方。
などがおられます。
もう、本当に 人それぞれ です。
しかし、
急速に「これは明らかにおかしい」という状況になることもあり、脳の異常を疑います。
具体的には、脳転移、あるいは 癌性髄膜炎のときに 意識障害が生じることもあります。
癌性髄膜炎というのは、脳をとりまく脳脊髄液に癌細胞が ばらまかれている状態で、
相当進行した状態であるにもかかわらず 脳の画像検査では はっきりした異常を捉えられない場合があるのです。
おかしい、しかし いくら画像検査しても なにも異常が見つからない・・・。
癌細胞の1個1個は CTやMRIなどの画像検査では写りません。
ある程度の塊にならないと 検出できないのです。
癌細胞が 脳の周囲・脊髄の周囲に大量にばらまかれている状況なので、 「癌細胞の数」は ものすごい数であろうと思われます。
末期状態です。
食べないから、といって 栄養補給をおこなったところで、よくなるはずはありません。
みるみる状態は悪化していきます。
この状態まですすんでしまうと、もはや抗癌剤治療もむずかしい。
かりに癌性髄膜炎をうたがったとしても もう検査の意味がないので、実施もされません。
私は 呼吸器の専門医として、癌性髄膜炎の患者さんを 何人も診てきました。
Mさんが癌性髄膜炎だったかどうか、わかりませんが、
あっという間に悪化していく方、というのは 確かにおられます。
現在の医学の限界、と思われるところです。
白島の chouchou_crepe(シュシュ クレープ)さん。
https://www.instagram.com/chouchou_crepe_ai/
プリンもあるそうです。
メニューには出ていませんが。

6月には プリンアラモードが 販売されておりました。
このときのインスタを引用しておくと。
***
新商品スタートのお知らせ🍓
明日6月14日(土)から
\新登場!/
✨プリンアラモード✨
週末のご褒美にぜひどうぞ
***
現在の最新メニューがどうなっているのか、プリン、あるいはプリンアラモードが載っているのかどうか、わかりません。
お近くの方は 行ってみてください。
Eスタに近いので、サンフレの試合の前に寄って クレープを買って行けば いいかもしれないですね。
(スタジアム内の飲食販売は 大混雑が続いており、全然ダメ)
うん、来年の医院レクでのサンフレ観戦には そうしてみましょうか。
白島の chouchou_crepe(シュシュ クレープ)さん
営業は年内、および1月1日、2日、4日。あとは休みです。営業日はインスタでご確認ください。
昨年1月17日、私どもの本が出ました。

紀伊国屋WEB
在宅緩和ケア医が出会った「最期は自宅で」30の逝き方 – 光文社新書
髙橋浩一
価格 ¥924(本体¥840)
光文社(2024/01/17発売) 電子書籍もあります
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784334101992
公民館、集会所などでの講演など、お引き受けいたします。
日程次第です、御相談ください。
10名程度の少人数の集会でも大丈夫ですよ。
【業務連絡】医師募集。内科・外科・総合診療科・緩和ケア科に限りません。
新型コロナ対応をきっかけに
「医療の在り方」、「医療の目指すべきもの」について
考えを深めた方・考えを改めた方も多いと思います。
もし
「今は東京や大阪(等)で働いているが、地元広島に帰って働きたい」
とか
「病院勤務医よりも もっと患者に寄り添いたい」
「今の病院の勤務形態では 体を壊してしまうのではないか」
「これだけがんばって働いているのに、むくわれないというのは、病院というのはおかしいのではないか」
など考えはじめた医師の方は どうぞ当院に御連絡ください。
「給料よりも 生きがい・働きがい」を求めている方、よろしくお願いいたします。
(「給料優先」という方は、イナカの病院なら「過疎地手当」が上乗せされますし、
医師求人サイトで探されると「高給優遇」のところは見つかると思います。
ただし、高給優遇で求人するということは、キツい職場、あるいは やりがいは少ない職場だ(やり手がいない)という覚悟は必要です。)
広島はコンパクトな街で、衣食住、そして働くにも子育てにも いい所だと太鼓判押せますよ。
当ブログを御覧になり、院長の理念に賛同された方、どうぞ御連絡よろしくお願い申し上げます。
在宅診療は楽しいですし、在宅緩和ケアは やりがいありますよ!
【おまけ】
当院には釣り部も出来ました。
カープ、サンフレファンの医師のかた、
および 釣り好きな医師の方、
当院に就職すれば いいことありますよ。

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