心に残る出会い22 おかみさんのKさん
Kさんは62歳、女性。
3年前、腹水に癌細胞がみつかったのですが、原発巣は不明。
すでに何回も抗がん剤治療を受けてきていました。
吐き気と食欲不振、全身倦怠、そして痛み。
がまんしながら治療を続けてきました。
自営業で年末の忙しさによる疲れもあり、点滴希望で当院を受診されました。
「緩和ケア」についても御存知で、
緩和ケアという当院の看板をみて来られたそうです。
それからはカゼの時や便秘、膀胱炎など
何かあればちょくちょく当院を受診されました。
ふだんは大学病院で治療をされていますが、
ちょっとしたことで受診するには大学は待ち時間が長すぎて
しんどくなるためだそうです。
毎回、大学病院での検査データや画像も持参され
いつも当方の意見を求められ相談に応じていました。
漢方薬などの処方やアドバイスもおこなってきました。
店を切り盛りする おかみさん の役割を果たしながら
闘病意欲も旺盛だったのですが、
新たに腹部への転移再発もおこしてきました。
先が長くないことを覚悟し、そして夫の体調も悪くなったこともあり、
店をたたむことになりました。
その後、脳転移をおこし手術をうけ、
さらに次の抗がん剤治療を受けられていましたが
その後の進行は早く、食い止めることはできませんでした。
息子さんのことを、いつも気にかけておられました。
「店を継がなくていい、と息子に告げてからは、だいぶ気が楽になった」、と
話しておられましたが、それが本心だったのかどうか・・・。
もう一度それを話題にする日は来ませんでした。
ふりかえってみれば
大学病院をメインにしつつ
緩和ケア医をセカンドオピニオンの相談先として活用する、
日常の健康管理医として活用する、
というおつきあいでした。
これは、とてもいい方法です。
どうぞ早めに、そして何でも緩和ケア医に御相談ください。
(注意:入院中の方についてはセカンドオピニオンは自費となります。
御了承ください。)
緩和ケア医の誕生日のケーキ、
N’s sweets の ベイクドチーズケーキ。
たまにはマドモアゼル以外で誕生日ケーキを、と買ってみました。
緩和ケア医の感想は・・・マドモアゼルのほうが好み。
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