心に残る出会い139 ディグニティ・セラピーをおこなったSさん
カープ、
打撃陣はよく打ちました。
さすが4番鈴木選手、さすが長野さん。
今日は森下投手です、応援しましょう!
さて、
毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。
Sさんは90歳。
夫婦で暮らしていましたが、二人とも認知症がでてきて 自宅生活が困難になってきました。
金銭管理ができず悪徳商法にひっかかったり、食事も不規則、家はゴミ屋敷。
「ふたり同室で生活出来る所」、を ケアマネージャさんが探し、幸いなことに条件にあう施設が見つかり、そこに入居されました。
当院に 在宅管理の依頼があり、入居後に私たちの初めての出会いです。
Sさん夫婦は、子供がいなかったため、お互いの生活に干渉しあわず、それぞれ自由に生活をしてこられたのだそうです。
御夫婦ともに もの忘れはひどいし、失禁ありオムツありの生活ですが、 お互いあまり気にすることもなく 不満に思うこともない生活ぶりでした。
しばらく平穏な生活が続きました。
半年ほどすぎた頃、Sさんは、食事の飲み込みが悪くなってきました。
義歯不調で 歯科にも受診していたのですが、どうもそれだけではないようです。
食事を嘔吐することがあり、病院で精密検査を受けたところ 食道癌、しかも相当進行した状態であることがわかりました。
年齢・体力、および認知症の点から、手術・抗癌剤は出来ません。
Sさんは、治療法があるなら治療を と 希望されましたので、放射線治療科に受診していただきましたが、やはり同様の観点で 放射線治療も適応なしと判断されたのでした。
病院の先生は 「詳しい説明は かかりつけ医から聞くように」とのことでしたので、Sさん御夫婦には当方が説明しました。
そして、今後どのような御希望・お考えがあるのかを 御夫婦と私たちで話し合いをしました。(ACP=人生会議)。
痛みや苦しみは できるだけ何とかしてください。
ここで今の生活を続けていきたい、最期もここで。
もう病院には行かない、ということになりました。
ゆっくりと食事量が減り、るいそうがすすみ、眠る時間が長くなってきました。
残された時間は もうあまりありません。
施設管理者のMさんが、 Sさん御本人に人生のインタビューをおこない、A4用紙1枚の手紙にまとめました。
これをディグニティ・セラピーと呼びます。
いろいろあったけれど、まあ良い人生だった、と思っていただければ
やすらかに、おだやかに すごせるのです。
実際、Sさんは、「わしの人生、まあまあだった」と総括されました。
その後も痛みはなく、苦しくはない状態が保てています。
その10日後、Sさんは静かに旅立たれました。
Sさんの奥さんは Sさんよりも認知症は高度でした。
Sさんの状況を理解されるだろうか、受け止めてもらえるだろうか、というのが 心配なところでした。
奥さんに 楽しかった昔の話をしながら、手足のマッサージをしてあげてください、と促しておりました。
また、Sさん夫婦は歌が好きだった、とのことで、Sさんの好きだった歌を 枕元で歌ってあげて下さい、と 施設の方がうながし、亡くなられる前日 30分間ほど奥さんが歌われたそうです。
Sさんが息を引き取られた直後、奥さんは涙を浮かべ、「やさしい人じゃった」と言われました。
ちゃんと受け止めておられた様子でした。
Sさん、大丈夫ですよ、奥さんにも 周りの皆にも 思いは伝わりましたよ。
【解説】
体調がどんどん悪くなっていく時、だれでも不安になるものです。
また、自分の尊厳がどんどん失われていくような気もすることでしょう。
尊厳を守る、回復する、ということに対して着目された活動というのは すでにあります。
ディグニティ・セラピー
ディグニティ・セラピーって何?
「ディグニティ」とは、尊厳という意味です。つまり、本療法は、終末期の患者さんの尊厳を維持することを目的とする精神療法的アプローチのひとつということになります。
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愛知県がんセンター病院
https://www.pref.aichi.jp/cancer-center/hosp/15anti_cancer/dignity-therapy.html
めぐみ在宅クリニック 小澤 竹俊 先生が主宰されているエンドオブライフ・ケア協会で学ぶことが出来るようです。
https://www.megumizaitaku.jp/mp/dignity-therapy/
(学ぶ場は 他にもあるかもしれません。)
興味のある方は、ぜひエンドオブライフ・ケア協会で学んでみてください。
広島でもディグニティ・セラピーはすでに実践されておりますよ!
シェラトン広島。がんばったごほうびです。
カラフルスイーツブッフェ with ハーゲンダッツアイスクリーム
https://www.sheratongrand-hiroshima.jp/mailmagazine/DigitalStudio/2021-6-8-sweets.pdf
【6月 シェラトンキッズイベント】世界にひとつのパフェを作ろう
も開催しております。
広島市 新型コロナウイルスワクチン接種会場・予約方法
https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/korona/217375.html
接種を受けるには接種券、および事前に予約が必要です。
広島市 新型コロナワクチン予約コールセンター
050-3644-7513 9時から17時。土日祝日も対応
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広島県新型コロナウイルスワクチン接種コールセンター
電話番号:082-513-2847 24時間
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・屋内ではマスクを着ける
・3密を避ける(特に職場での休憩時間や会食)
・こまめに手洗い・消毒をする
・換気をする
といった、基本的な感染対策について徹底しましょう。
よろしくお願い申し上げます。
【業務連絡】医師募集。 内科・外科・総合診療科・緩和ケア科に限りません。
新型コロナ対応をきっかけに
「医療の在り方」、「医療の目指すべきもの」について
考えを深めた方・考えを改めた方も多いと思います。
もし
「今は東京や大阪(等)で働いているが、地元広島に帰って働きたい」
とか
「病院勤務医よりも もっと患者に寄り添いたい」
「今の病院の勤務形態では 体を壊してしまうのではないか」
「これだけ命を張って働いているのに、ボーナスが減額とは 病院というのはおかしいのではないか」
など考えはじめた医師の方は どうぞ当院に御連絡ください。
ただし若い医師を優先させていただきます、30歳代・40歳代の人がありがたいです。
「給料よりも 生きがい・働きがい」を求めている方、よろしくお願いいたします。
(「給料優先」という方は、イナカの病院なら「過疎地手当」が上乗せされますし、
医師求人サイトで探されると「高級優遇」のところは見つかると思います。)
広島はコンパクトな街で、衣食住、そして働くにも子育てにも いい所だと太鼓判押せますよ。
当ブログを御覧になり、院長の理念に賛同された方、どうぞ御連絡よろしくお願い申し上げます。
在宅診療は楽しいですし、やりがいありますよ!
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