心に残る出会い183 ぎりぎりまで入院しなかったHさん
昨日は音戸に墓参り。
桜は咲いているし、ほどよい曇りかげんだし、
ロードスター日和でした。
カープは、9安打打ちましたね。
両外人さんには、無安打が続きますが、打点が付きました。
それでよしとしましょう。
ただし、スタメンに外人さんが2人も必要なのか、考える必要はあると思います。
阪神には外人スタメンはおりませんよ。
今日は森投手です、応援しましょう!
さて、毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。
Hさんは77歳。
もともと認知症があり、ようやくなんとか自宅生活を続けることが出来ておりました。
膵癌末期と診断され、緩和ケア病棟に入院されました。
痛みのコントロールがついたので、本来であれば 家に帰れる、という状況。
しかしHさんの認知症が 相当に進行してきておりまして、
御家族は「自宅では無理だ」と判断されたのでした。
終末期の対応もできますよ、という老人ホームに入所され、
そこで私たちのはじめでの出会いです。
「Hさん、もし今後 また状態が悪くなってきたら、どうしましょうか?
病院に行きますか?
もう病院には行かず、ここにずっといることも出来ますよ。」
するとHさんは、
「何を言ってるんだ。ここは病院じゃろ。どこにも行かん。」
Hさんの頭の中では、どうやら 病院の部屋をかわっただけ、と思われていたようです。
そのホームでは、看取りまでの対応も可能ですし、緩和ケアも可能です。
私どもと訪問看護ステーション、薬局などが連携し、すでに何人もの看取りに対応してきた実績もありました。
御家族とも相談し、最期までここで、施設看取り方針となったのでした。
もちろん、状況が変わったり、お考えが変わった場合には、いつでも病院に連絡とりますので、御遠慮なく申し出てください。
痛みはうまくコントロールされていましたが、
食事量は次第に減っていき、次第に眠る時間が長くなっていきました。
言葉も出ますが、聞き取るのがむずかしくなっていきました。
ある時、熱がでました。
癌末期ですと、いろいろな理由で 熱が出ることがあります。
肺炎をおこしたり、尿路感染だったり、脱水からの「こもり熱」だったり、
腫瘍そのものによる腫瘍熱だったり。
解熱剤などで対応し、すぐに熱はさがり、元通りの状況となりました。
ところが
その数日後にも また発熱です。
今度は痛みも増強してきました。
解熱鎮痛剤も増量、オピオイド(=医療用麻薬)も増量しますが、
今回はなかなか状態が落ち着きません。
Hさん本人は、あまり痛いとか言いませんが、見るからに苦しそうです。
御家族が相談されて、病院へお願いします、ということになりました。
もといた緩和ケア病棟のある病院に依頼し、引き受けていただきましたが、
病院に到着後ほどなくHさんは永眠されたのでした。
Hさん、結果としてギリギリまで入院しなかったことになるのですが、
Hさんの頭の中では どうだったのでしょうね。
「何言ってるんだ、ずっと病院にいるじゃないか」という答えが 返ってくるんでしょうかね。
【解説】
老人ホームなど、施設によって
「どこまでの患者を引き受けるか、引き受けないか」、
それぞれに違いがあります。
美しく大きく高級な施設で、職員がおおぜいいても、
「寝たきりになった人は看ません。
状態が悪くなった人は全員病院に送ります。」という施設もあります。
その逆に、少ない職員でもがんばって最期まで担当してくれる施設もあります。
そこは 経営者の理念が問われる部分ですし、
職員教育が出来ているかどうか、という部分でもあります。
入所してから「最期まで施設においてもらえると思ったのに・・・」
という話はよく聞きます。
施設を決める前に、
「最期までみてもらえるかどうか、
その場合の費用はどれくらいになるのか。」
よく聞いてから 判断しましょう。
桜と音戸大橋
ここは基本は3分咲きですが、なかには8分咲きの樹もあります。
【業務連絡】医師募集。内科・外科・総合診療科・緩和ケア科に限りません。
新型コロナ対応をきっかけに
「医療の在り方」、「医療の目指すべきもの」について
考えを深めた方・考えを改めた方も多いと思います。
もし
「今は東京や大阪(等)で働いているが、地元広島に帰って働きたい」
とか
「病院勤務医よりも もっと患者に寄り添いたい」
「今の病院の勤務形態では 体を壊してしまうのではないか」
「これだけがんばって働いているのに、むくわれないというのは、病院というのはおかしいのではないか」
など考えはじめた医師の方は どうぞ当院に御連絡ください。
「給料よりも 生きがい・働きがい」を求めている方、よろしくお願いいたします。
(「給料優先」という方は、イナカの病院なら「過疎地手当」が上乗せされますし、
医師求人サイトで探されると「高給優遇」のところは見つかると思います。
ただし、高給優遇で求人するということは、キツい職場、あるいは やりがいは少ない職場だ(やり手がいない)という覚悟は必要です。)
広島はコンパクトな街で、衣食住、そして働くにも子育てにも いい所だと太鼓判押せますよ。
当ブログを御覧になり、院長の理念に賛同された方、どうぞ御連絡よろしくお願い申し上げます。
在宅診療は楽しいですし、在宅緩和ケアは やりがいありますよ!
【おまけ】
当院には釣り部も出来ました。
カープ、サンフレファンの医師のかた、
および 釣り好きな医師の方、
当院に就職すれば いいことありますよ。
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