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心に残る出会い25 胃がんのMさん

2011年10月2日  

毎月の月末日曜日には心に残る出会いをアップしていましたが
先週は月末ということを忘れていました。
1週間遅れで申し訳ありません。

Mさんは64歳、女性。
10年前に胃がん手術を受け、その後は順調だったのですが、
7年後に腸閉塞をおこし入院。
開腹手術の結果、胃がんの腹腔内再発転移と判明しました。
手術後5年以上 再発転移なく無事に過ごしてきましたので
治癒した、と皆が思っていたところだったのです。

抗がん剤治療が開始されましたが、かなり体にこたえたので
それ以降は抗がん剤を希望されず、
標準治療でない治療法を各種こころみてきました。
温熱療法、フコイダン(?)、ナントカ還元水などなど。
自営業で金銭的に裕福であり、また夫や家族の理解があって
そのような治療法を続けることが出来ていたのでした。
たとえば温熱療法には夫と一緒に関西の病院に通院される、というように。

しかし、そのような治療法で癌を消失させることは実際には困難です。
腹腔内転移の数も、大きさもどんどん悪化していきます。
皮膚にもあちこち転移し、それもどんどん悪化していきました。

頼りにしていた温熱療法などの治療法に効果がないことを悟り、
ふたたび病院で抗がん剤治療を受けることとなりました。
当院では、抗がん剤治療の副作用対策を中心におこなってきました。
吐き気、全身倦怠、しびれなどについては、
病院担当医の前ではがまんして あまり症状を告げていなかったようでした。
漢方薬などで副作用症状をおさえていきます。

抗がん剤でも効果はみられず、転移は次第に大きくなっていきます。
体力も目に見えて落ちてきました。
当方が、「まだ抗がん剤やるんですか!?」と言うような状況になっても
病院では抗がん剤点滴が続けられたのでした。
緩和ケア病棟のこともおすすめしたのですが、
緩和ケア病棟に入ったら二度と出られないから、といって
申込は同意されませんでした。

よく誤解されるところですが、
「緩和ケアは最後の最後」、ではありません。
緩和ケア病棟を希望されるのであれば、
ぎりぎりまで待ってから考えるのではなく
早い段階で希望を表明され手続きにはいったほうがよいでしょう。
緩和ケア病棟を希望される人が増えていますので、
ベッドが空くまで1ヶ月近く待つ状況も珍しいことではなくなっていますから。
いったん緩和ケア病棟に入院しても、
外出外泊もできますし、
体調が落ち着けば退院してまた自宅で生活できます。
場合によっては旅行などができることもあります。
緩和ケア病棟と自宅(在宅療養)を何度も行ったり来たり
繰り返す人も多くなってきています。
けして、「緩和ケア病棟に入ったら二度と出られない」、ということはないのです。

2ヶ月くらい経過したある日、御家族が当院を訪れ相談されました。
いよいよしんどくなり少し前から病院に入院している。
やはりK病院の緩和ケア病棟に入れてやりたいと思う、と。
でも、その希望は病棟の担当医や看護師にはまだお話されていませんでした。
そこで、病棟の看護師や担当医にその希望を伝えて手続きをすすめてもらうように
アドバイスをおこないました。
当方からK病院にも問い合わせしましたが、もちろん満床で
順番待ちがたくさんおられる状況でした。
飛び込みの申し込み患者を緩和ケア病棟に入ってもらうことは
できなかったのです。
Mさんは、その2日後に亡くなられました。

宮城県の物産と観光展で
海鮮弁当
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★新型インフルエンザ情報
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