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心に残る出会い39 果物制限をうけていたOさん

2012年11月25日  

サンフレッチェ優勝!
満員の地元最終戦で決まるとはいいですね!!
優勝記念グッズ、何か買いたいと思います。
あとはカープの優勝を待つばかり・・・。

心に残る出会いです。
Oさんは88歳。
10年前に子宮癌の手術と放射線治療を受けています。
足のむくみが次第にひどくなってくるためにK病院に入院、
むくみはリンパ浮腫で、弾性ストッキングで様子みることになったのですが
入院精査によって拡張型心筋症、肺癌があることも判明しました。
全身状態から判断して、癌の治療をおこなうことは出来ませんでした。
すでに夫とは死別、子どもたちも独立しており一人暮らしです。
そのためK病院を退院して、海岸近くの病院に転院していました。

ところが、そこは基本的には老人病院です。
認知症の人がほとんどであり、
会話をかわせる相手もいません。
おまけに、
腎機能が少し悪い、カリウムが少し高い、という理由で
果物を全く食べてはいけない、など
厳しい食事制限を強制されていたのでした。

進行癌の人に対しては、
食事制限はおこなわないことが普通です。
食欲を出していただき、食べたい物をしっかり食べていただく
というのが基本になります。

御家族も進行肺癌であることは承知しており、
好物の果物を制限されているのがかわいそうでした。
好きに生活させてあげたい、と思い始めていました。
本人には癌であることは伏せてありましたが、
「こんな話し相手もいない病院はいやだ、家に帰りたい」、
と本人が言い出したので
それを機会に自宅で療養をすることに決まりました。
在宅主治医として当方に依頼がありました。
退院当日に私たちのはじめての出会いです。

私が、食事制限はまったく無しにしましょう、というと
とても喜ばれました。
食べるといっても、癌末期の食欲不振なので、
一人前の量の半分くらいのものなのです。
食事制限より、しっかり食べることのほうが大事です。
食欲が出るように漢方薬など併用し、
食べたい物をほしいだけ。
むくみも少し減って、安定した時期を過ごせました。

そのうち腰の痛みも出てきました。
骨転移か、とも思いましたが、どうも骨粗鬆症の痛みのようです。
骨粗鬆症治療の注射を開始して症状をやわらげることが出来ました。

自宅で半年が過ぎ、ゆっくりと次第に衰弱はすすみ、
トイレ歩行が息苦しくなりました。
でももう、病院に行こう、とは本人も家族も言いません。
最期まで自宅で。
全員の思いは一致しています。
いつ急変があっても、それは覚悟の上、
本人の希望どおりに、と意思統一です。
在宅酸素も開始となり、
ベッドの横にポータブルトイレを設置します。

息子さんが、1日おきに泊まり込むようになりました。
ヘルパーさんも毎日はいり、
緩和ケア医、訪問看護師も定期的に様子をみにきます。
東京のお孫さんが、婚約者といっしょに会いに来てくれました。
みなさんにこんなにしてもらって申し訳ない、
こんなに幸せでいいのかしら、
とOさんはお話されていました。

その数日後の朝。
泊まり込んでいた息子さんが部屋に行ってみると
Oさんは、もう呼吸をしておられませんでした。
前の夜は、息子さんとふつうに会話をしていたそうです。
苦しむことのない、静かな静かな最期の日々でした。

久坂部羊先生の講演会のあとでRCC文化センター1階O-café オーカフェ
焼きプリンと紅茶
P1000040.JPG広島ブログ
★インフルエンザ情報
安佐南区の長束小学校でB型が出ています。
今のところB型が多いですかね。
B型は高熱にならず胃腸障害(下痢など)が目立つ場合があり、
感染性胃腸炎のように見えることもあります。
やるべきことは、インフルエンザでも感染性胃腸炎でも同じ、
うがい手洗い咳エチケット、よろしくお願いいたしますね。

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