心に残る出会い57 骨折して亡くなられたKさん
カープ、交流戦勝てませんね。
エラーが出れば、負けます。
守って、走って勝つ野球をしてほしいですね。
今日はバリントン。
前回長い回を投げているので疲れが心配ですね。
応援しましょう!
毎月最終日曜日は心に残る出会いです。
Kさんは95歳。
息子さんと二人暮らしです。
これまで某病院の内科外来に通院できていたのですが
次第に足のむくみが出て歩行がむずかしくなり
通院が出来なくなってきたため、訪問診療の依頼です。
はじめての出会いの時、足はむくみでパンパンでした。
心臓が弱ってきているのです。
利尿剤を上乗せします。
その後しばらくは安定して経過することが出来ました。
Kさんは、こたつでテレビを見るのが楽しみ。
息子さんもがんばって介護されていました。
ところがある日、室内で転倒して大腿骨を骨折してしまいました。
95歳ですが、入院して手術です。
手術そのものは成功しましたが、
引き続きリハビリをおこなわなければ
元のように歩けるようにはなれません。
Kさんは、リハビリ目的で後方病院に転院していきました。
その1週間後、Kさんはその病院で亡くなられました。
急死です。
高齢者は骨折すること、そしてそれが命取りになることがあります。
骨折さえなければ入院せず家で過ごせたかもしれないので
Kさん、最後は残念でしたね。
Kさんに限った話ではありませんが、
高齢者は足が上がりにくくなっており、
すこしの段差でもつまづきやすくなります。
すばやい動きが出来ず、とっさに受け身の体勢を取ることも難しい。
筋肉や脂肪も少なくなっており、衝撃は骨を直撃しますが
肝心の骨は骨粗鬆症で弱くもろくなっています。
手をつけば前腕骨折、
倒れこめば大腿骨骨折や骨盤骨折、
しりもちをつけば脊椎圧迫骨折です。
骨折から寝たきりになり、
寝たきりになれば誤嚥性肺炎をおこしやすくなる。
つまり骨折が命取りになるのです。
歩行がスムーズに出来なくなった段階で
段差の解消、手すりの整備、骨粗鬆症の治療について
ぜひもう一度見直しをしておいてください。
まだまだ十分元気に歩ける段階での
早くからのバリアフリー化には異論も出されていて、
それでは残存機能の維持や向上にはつながらない、と。
あえて段差、バリアを残しておいた方がいい、
これを「バリアフリー」でなく「バリアアリー」
って呼ぶのだそうです。
でも、
足の上りが悪くなってきた段階、
すり足歩行の傾向が出てきた段階、では
バリアフリー化したほうがいいと思います。