心に残る出会い86 冬服を処分してしまったMさん
カープ、日本一には届きませんでした。
残念ですが、何しろ優勝経験すらなかった選手たちです。
これをいい経験に、来年以降 成長してもらえれば、と思います。
日本ハムは、負けていてもみんな笑顔がありました。
第1戦、第2戦でのことですけども。
楽しんでいる、という雰囲気がありました。
今回のカープは、楽しんでいるというよりも悲壮感というか余裕がないように見えました。
これが経験の差なんでしょう、と思いました。
来年は余裕をもって、楽しんで日本シリーズに臨めるでしょう。
今年のカープ応援は楽しかったな、来年もよろしくお願いしますね。
毎月 最終日曜日は 心に残る出会いです。
Mさんは64歳。
咽頭癌がみつかり、手術したものの再発。
リンパ節転移もあり あと半年くらいだろう、と説明を受けました。
次第に衰弱し、足が不自由になって通院が困難となり
当院に訪問診療の依頼です。
私たちの出会ったのは5月。
もう冬まで生きられないと思い、冬服等は全部処分してしまった、と
がらんどうの部屋での出会いでした。
まだ食事もおいしいのに、10月までしか生きられないなんて、とMさん。
いやいや、一人一人の寿命を決めることが出来るのは神様だけです。
私たちは 大勢の人の経験から 平均的な数字をお示しすることが出来るだけです。
平均的な数字ですから、それより長い人も、短い人もいます。
食べている間は大丈夫です。
でも食欲が落ちてきたら あとは早いですよ。
数回の訪問診療のあと。
Mさんは 薬を飲むのはもうやめた、と話されました。
だから訪問診療も訪問薬局も来てもらわなくてよい・・・。
こういう時に 無理な介入は出来ません。
合意がないのに押しかけることは出来ません。
訪問診療は、依頼があって、計画を立てて おうかがいするものなのです。
ケアマネージャと訪問看護だけは続けて入っていただくことを約束していただきました。
数ヶ月後。
病院の相談室から電話です。
息苦しくなって、本日 病院を受診されました。
しかし入院はイヤ、緩和ケア病棟もイヤ。
自宅で最期を看取ってもらいたい、と希望されました。
そこで、再度 自宅での看取りを前提としての訪問診療をお願いします、とのこと。
12月から、訪問診療再開となりました。
Mさんは食欲も落ち、
もう動くことも難しくなっておりました。
在宅酸素の開始。
食事は高カロリーのゼリーを試みます。
その後、急速に飲み込みが出来なくなり、
水分しか飲めなくなりました。
私たちは、何度もMさんの意志を確認します。
入院はしない、ここで最期まで。
姉には連絡とれており状況も説明している、とのことでした。
最後には声も出なくなり、身振り手振りでのMさんの意思表示確認です。
痛みはない、苦しさもない。入院しない、ここで最期まで。
これが最後の意思表示となりました。
翌日Mさんは御自宅でお亡くなりになりました。
御家族が駆けつけてこられ、病状経過について説明させていただきました。
御家族は病院での診断結果や、本人の最期の意志も御存知でした。
本人の強い希望であったことも理解されておられました。
Mさん、冬服を処分するのは ちょっと早かったですね。
でも、最期まで家にいることが出来て、よかったですね。
【業務連絡】
在宅医療、在宅緩和ケアに興味関心のある医師を募集しております。
できれば30歳代・40歳代、
地域に貢献したい、という意欲のある方を求めます。
在宅医療ははじめて、という方でも かまいません。
指導育成いたします。(というより、一緒に成長していきましょう。)
内科・外科に限らず
在宅の現場では皮膚科、泌尿器科、婦人科などの需要もあります。
将来は自分で独立・開業、という方も歓迎します。
御連絡をお待ちしております。
在宅医療というのは、これまでになかった成長を 私たちにもたらしてくれます。
できれば
勤務医時代に 専門医を取得しておいてください。
難病の書類を書く難病指定医になるのに、学会専門医の資格が要求される場面があります。
また、
緩和ケア研修、認知症オレンジドクター(可能なら認知症サポート医)の研修も受けておいてください。
在宅で多いのは癌末期と認知症です。
(これは必須ではありません。
当院に入職後に、必要な研修には派遣します。)
カープ消しゴム
★新型インフルエンザ情報
とくに新しい情報ありません。
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http://natalie.mu/comic/news/204687
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